インタビューほか

命は大事。だから死刑――「命の大事さを一番知っているのは遺族」

上谷 さくら

『死刑賛成弁護士』(犯罪被害者支援弁護士フォーラム)

『死刑賛成弁護士』(犯罪被害者支援弁護士フォーラム)

犯罪被害者支援がライフワーク

「弁護士はみんな、死刑制度に反対している」

 このように考えている人は多いのではないでしょうか。

 実際、日本弁護士連合会(日弁連)は、会をあげて死刑制度廃止運動を行っていますし、日弁連会長は死刑が執行される度に、それに抗議する声明を出しています。ですから、そう捉えられるのも仕方ないのかもしれません。

 しかし、私たちは「死刑制度に賛成する弁護士」です。私たちは凶悪な事件に遭われた被害者のご遺族に向き合うなかで、その必要性を実感しています。

 ではなぜ、「弁護士だから死刑制度に反対している」という誤解が生まれるのでしょうか。

 あまり知られていませんが、弁護士は法律上、日弁連に会員登録しないと活動することができません。つまり、弁護士は全員、日弁連の会員なのです。そのため、弁護士個人としては死刑に賛成であるけれども、所属している日弁連という組織は死刑に反対しているというねじれが生じます。そして、冒頭でも述べたように、日弁連が声高に死刑反対を唱えているので、そういったイメージが出来上がってしまうのです。

 私たちが日弁連に登録する弁護士でありながら、日弁連の意に反し、死刑制度に賛成するのは、犯罪被害者の支援をライフワークとしているからです。これまでに多くの被害者やそのご遺族の置かれた惨状を目の当たりにするとともに、死刑判決を受けるような加害者の擁護しようのない現実を知り、死刑制度の必要性を痛感してきました。

 そこで私たちは、犯罪被害者支援弁護士フォーラム(VSフォーラム)という弁護士有志の団体を作り、活動しています(https://www.vs-forum.jp/)。「VS」というのは、「victim support」の略で、「victim」は犯罪などの被害者、「support」は支えを意味します。

 VSフォーラム自体は2010年に、犯罪被害者の権利の拡充、被害者のための制度の実践、研究、改善策の提言などを目的として結成されたのですが、その前から、VSフォーラムのメンバーは多くの死刑相当事件の被害者支援を行ってきました。

死刑賛成弁護士犯罪被害者支援弁護士フォーラム

定価:本体880円+税発売日:2020年07月20日


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