- 2020.11.27
- インタビュー・対談
スポーツにして最も知的なギャンブル「競輪」。その奥深い魅力
轡田 隆史 ,堤 哲 ,藤原 勇彦 ,小堀 隆司
『競輪という世界』(轡田 隆史/堤 哲/藤原 勇彦/小堀 隆司)
車券を当てたとき、外したとき、思わず口をつく言葉はむき出しの感情そのものだ。競輪場にはヤジも飛び交うが、その言葉は厳しくも温かなものが多い。それはなにより、ファンが競輪選手のことをよく知っているからではないだろうか。
彼らが日々どれほど体を鍛え、どれだけの熱量を持ってバンクに上がっているか。選手は多くを語らずとも、鍛え上げられた肉体がそれを雄弁に物語っている。
今、日本にいる競輪選手は2325人(以下、特に注記のない場合、数字は2019年12月現在)。そのうちの136名が女子選手である。女性のリーグは「ガールズケイリン」と呼ばれ、1つのクラス(L級1班)があるだけだが、男子はS級とA級にわかれ、成績によってさらに細かくS級S班、S級1班、S級2班、A級1班、A級2班、A級3班と6つのクラスにわかれている。
クラス分けの基準になるのはポイント(競走得点)で、レースの着順がポイントとなり、そのつど反映されていく。7位よりも6位の選手のほうが当然ポイントが高い。そのポイントによって、次の日に出場するレースも違ってくる。少しでもいい順位で走ることが、トータルの獲得賞金に影響するのである。
最高位のS級S班に所属するのは、わずか9名のスーパースターたち。彼らS級S班だけに穿くことを許された真紅のレーサーパンツはすべての選手の憧れである。
2019年のKEIRINグランプリ出場者は上の表の通り。賞金、勝率、人気など、どれをとっても圧倒的な存在である。この年は、出場選手中最年長、43歳の佐藤慎太郎(福島)が初のグランプリ覇者となり、年間獲得賞金1億8873万円で賞金王に輝いた。
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