骨盤といいますと、多くの人が学校の理科教室にある人骨標本の骨盤を思い浮かべるかもしれませんが、本書でいう“骨盤”は、“下っ腹”と“お尻”と一体になった“動く骨盤”です。ぽってりした下腹も、きゅっとしまった下腹も、ちょっと垂れ下がったお尻も、きゅっと引き締まったお尻も骨盤の“顔”です。身体のリズムや年齢によって、また環境にも対応して、どんどん表情を変えていく……本書ではそんな骨盤の動く姿を“活写”してみました。
“コロナ禍”の真っ只中での文庫化に当たり、このような特別な時期の骨盤のはたらきの様子についても、ご報告しておきたいと思います。
まず、“コロナ禍中”のツイート、身がまま整体 気響会「身がままリポート」の中から、拾い上げてみます。
2020.3.6
“コロナ禍” ピリピリした空気が広がっています。テンションが上って強気になる人、不安でパニックになる人、反応は随分幅がありますが、いずれにしろ必要なのは落ち着きでしょう。もう2年近くも続く血海(=下腹に気を集中するポンプ)の強い反応は、“落ち着こう”という身体の声だと思います。
2020.3.13
9年前の今頃も、先が見えない不安の只中にいたのを思い出します。ショックから身を守る反応をする胸椎11番に疲れが出て、硬くなる人が多くなってきました。弾力をつけてリラックスしやすくしておきたいです。
2020.3.27
身体を護る態勢、戦う態勢をとると胸椎11番がオンになって持ち上がり、同時に首の斜角筋も縮みます。日常生活では伸びとあくびをすることでリセットしていますが、緊張が慢性化すると、かえって“伸び”をしなくなります。意識的に伸びとあくびをしてリセットしておきましょう。
“伸び”は気分を変えます。気合を入れたいときも、ゆるみたいときでも、大丈夫です。とりあえずそれぞれのスタイルで“伸び”をしておきましょう! 背骨を反らして、肩甲骨を寄せて上げる。というのが基本ですね。あくびもついでに思い切りしておきましょう。
2020.4.3
花粉症が軽い人が多く、例年しばらく沖縄に避難するような人でも「軽い」といいます。これもコロナショックの影響か? 胸椎11番がONで、交感神経も興奮している結果でしょう。3.11の時は連休ころまで症状は軽く、例年楽になるはずの連休明けに“復活”しました。
2020.4.10
日常が蒸発しました。当たり前に身をゆだねていた空間が、牢獄のような身動きのとれない空間になってしまいました。