これらの「反日法」が制定される日は近い。与党に数段有利な公職選挙法改正の結果、総選挙(二〇二〇年四月十五日)で与党「共に民主党」が圧倒的勝利をおさめ、国会で単独過半数を獲得しているからである(不正選挙の疑惑が多数あるが)。
事態がこのまま進めば、韓国はあらゆる親日行為・親日言論を法律で禁止する、思想信条の自由なき独裁国家となっていくのは疑いない。
こうした文在寅政権の路線が進めば、韓国の「反日・従北」の国内体制はより堅固なものになっていく。そうなっていくほどに、韓国は北朝鮮との連携を密にし、これまで以上にあらゆる面での「対日個人請求権」の猛攻を日本にかけてくるのは明らかだ。日本はそこを最も警戒しなくてはならない。
では、文在寅政権は何のために、このような極端な権力集中、強引な政敵潰しを行なっているのだろうか。その目的は「韓国の北朝鮮化」と、それをさらに進めた「韓国の中国化」にある。北朝鮮との経済統合を促進し、中国に見習った統制経済――国家資本主義体制を確立していくための独裁化なのである。文在寅大統領は中国の政治的・経済的な挙国一致体制(実は独裁体制)を「韓国もそうありたい」として以前から高く評価してきた。
文政権下の韓国が推進する「反日・従北・離米・合中」の「合中」とは、過去にそうだったように、韓国が「中華帝国の一配下」となっていくことを意味するだろう。文政権の「反日」は単なる感情的な日本への反発ではなく、国民感情を煽り、それによって中国的な挙国一致体制を作り上げるための手段のひとつでもあるのだ。そこにこれまでとは違った文在寅韓国の危険性がある。中国の最高指導者習近平は、総書記に就任した第一八回党大会閉幕後、視察先での談話(二〇一二年十一月二十九日)で、これが「中国の夢」だとして「中華民族の偉大な復興の実現」を、このとき初めて政権スローガンとして掲げた。かつてアジアに君臨した中華帝国を現代的に再現しようというのだ。このときから韓国では、保革を問わず、「巨大な竜がようやく立ち上がった、これからは中国の時代だ」という声が、日に日に高まっていった。
文在寅政権が目指す韓国の独裁国家化は、中国とともに韓国が夢見る「中国の時代」にふさわしい国造りにほかならない。