- 2022.02.03
- 特集
市販されている飲料品には、どのくらいの糖質が入ってる? イライラや老化の原因になる“糖質”を徹底解剖《数値公開》
文:牧田 善二
『糖質中毒 痩せられない本当の理由』(牧田 善二)より#2
ジャンル :
#ノンフィクション
人はどうして太ってしまうのか。そして、なぜ痩せられないのか。それは私たちのせいではありません。知らず知らずのうちに、脳内が糖質に侵されて、「糖質中毒」になってしまったからです。では、何を食べてよくて、絶対に食べたり飲んだりしてはいけないものは何なのか、さらにはどのような食べ方をすると効果があるのでしょうか。
そのヒントは、糖尿病専門医である牧田善二先生による『糖質中毒 痩せられない本当の理由』(文藝春秋)に書かれています。ここでは、同書より一部抜粋して、「糖質中毒」の知られざる恐ろしさについて紹介します。(全2回の2回目)
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「キレる人々」も糖質がつくる
最近は、簡単なことでキレる人が増えました。キレるのは若者だけではありません。中高年でも、怒鳴り散らしたり暴力を振るう人がたくさんいます。
あおり運転のニュースも毎日のように目にします。ドライブレコーダーに録画されている可能性が高いのに、なぜ抑えられないのでしょう。
私は、食生活が大いに関係していると考えています。
前にも述べたように、現代社会はメーカーによってつくられた食品が溢れています。そこには、糖質が必要以上に含まれています。とくに、ファストフードやコンビニの商品を常食していれば、いつの間にか糖質を過剰摂取し中毒になってしまいます。
昔の日本なら、貧しくてお腹を空かせた人がキレていたかも知れませんが、今はたらふく食べている人がキレているのでしょう。
あなたがもし、意味もなくイライラすることがあったら、その前後について振り返ってみてください。
イライラする前に、糖質を摂っていませんでしたか?
イライラしながらも、糖質を渇望していませんでしたか?
糖質中毒に陥っている人はたくさんいますが、自分がそうだと気づいている人はわずかです。気づいたときから脱出の道が見えてきます。「自分もそうかも」と考えてみることは、とても知的な作業です。
液体状の糖質は悪魔の食品です
同じ糖質でも、食べたものの種類によって血糖値の上がり方に差が出ます。
図表4のグラフを見てください。
ご飯やパン、麺類はまだ上昇カーブが穏やかです。砂糖が入った甘いお菓子類は、早く血糖値が上がります。
そして、最も急激なカーブを描くのが缶コーヒーやジュースなど液体のものです。すでに液体になっている糖質は、胃で消化する必要がなく、すぐに小腸に運ばれるため、口に入れてから30分後には吸収されブドウ糖が血液中に溢れるのです。
そして、血糖値が200近くまで急激に上がる「血糖値スパイク」と呼ばれる状態をつくりだします。急な坂を登ったら降りるときも急なように、血糖値スパイクを起こすと、その後、血糖値はどんどん降下し、2時間後には70を切ることがままあります。
コンビニや自動販売機で簡単に手に入る糖質たっぷりの炭酸飲料やジュースが、いかに危険な飲み物か。まさに悪魔の食品です。
それを理解してもらうには、鹿児島県で行われた「ブドウ糖負荷試験」の実験結果がとても参考になります。
前にも述べたように、健康診断で空腹時血糖値やヘモグロビンA1c値に異常が見られれば、次にブドウ糖負荷試験という検査をします。空腹状態で七五グラムのブドウ糖を溶いた液体を飲み、その後120分間の血糖値の変化を見るというものです。
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