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市販されている飲料品には、どのくらいの糖質が入ってる? イライラや老化の原因になる“糖質”を徹底解剖《数値公開》 

市販されている飲料品には、どのくらいの糖質が入ってる? イライラや老化の原因になる“糖質”を徹底解剖《数値公開》 

文:牧田 善二

『糖質中毒 痩せられない本当の理由』(牧田 善二)より#2


ジャンル : #ノンフィクション

図5

図5

図6

図6

 

 図表5、6にあるように、一定の時間を経過した段階で血糖値が基準値の140より高ければ糖尿病と診断されます。ただし、この検査では120分後までしか観察しません。

 ところが、鹿児島県の今村病院分院(現・今村総合病院)などが、ボランティア26名を対象に300分後まで追跡調査を行った結果、大変に興味深いことがわかりました。120分までの観察では健康だと診断される人々(若者も含まれます)の中にも、150分、180分と経つと、血糖値が55、58など非常に低くなる人がいたのです。

 彼らは、あくまで実験に参加したボランティアであり、この機会がなければ自分がそんな低血糖に陥っているとは知ることができませんでした。

 先にも述べたように、血糖値が70を切ると不快な症状に悩まされ、脳からの指令によって糖質を摂らずにはいられなくなります。つまり、55や58などという数値を示した彼らは、立派な糖質中毒だったわけです。

 これが鹿児島県に限った現象であるはずもなく、日本中に同様の人がたくさんいると推測されます。

 ちなみに、コカ・コーラ100ミリリットルの糖質が11.33グラムですから、350ミリリットル缶を2本飲めば、この検査液の糖質をオーバーします。

 図表7、8をご覧下さい。市販されている飲料品の糖質が恐ろしいくらい多量であることがわかります。

図7
図7
図8
図8

 

糖質中毒は重大な健康被害を引き寄せます

 買い物やギャンブルの中毒になると、「お金がなくなる」という害が出ます。周囲から借金をして信用をなくすケースも多々あります。薬物はもちろん、ネットゲームについても、中毒になれば深刻な危険があることが知られてきました。

 では、糖質中毒の害はどのようなものでしょうか。

 まずは、これまで述べてきたように、血糖値スパイクが引き起こす低血糖による不快症状が挙げられます。ただ、こうした症状は、なかなか認識されにくいとも言えます。脳の指令に従って糖質を摂れば、一時的に収まってしまうからです。そして、認識のないままに、糖質中毒を重症化させていきます。

 糖質中毒を放置していると現れる健康被害の中で、自他共に最もわかりやすいのが「肥満」です。

 その肥満が、まさかジュースを飲んだり炭水化物をたくさん食べたことに起因するとは想像もしていない人でも、「自分は太っている」という認識はあるはずですし、「できれば痩せたい」とは思っているでしょう。

 痩せたい理由としては、かっこいい服を着こなしたいという外見上のものも、太ったら血圧が上がったというような健康上のものもあるはずです。

 いずれにしても、「太っていると良くない」「痩せればいいことがある」とはわかっているのに、それができないわけです。

 繰り返し述べますが、痩せられないのは意志が弱いからではありません。糖質中毒に陥っていて、その治療が正しくなされていないからです。少し太めくらいの人ならわりとダイエットはうまくいきますが、ひどく太っているとなかなか痩せられないのは、それだけ中毒が重症だからだと理解してください。

 もう一つ、糖質中毒は老化を早めます。血液中にブドウ糖が多いと「AGE」という老化促進物質がたくさん産生されてしまうのです。

 AGEは「終末糖化産物(Advanced Glycation End-products)」の略で、私のクリニックの名称「AGE牧田クリニック」にも使われています。あなたの健康を著しく左右する物質です。

 さらに、糖質中毒による肥満やAGEの蓄積は、さまざまな生活習慣病を呼びます。糖尿病はもちろん、高血圧、がん、心筋梗塞、脳卒中、慢性腎臓病、アルツハイマー病……など、避けて通りたい深刻な病気が増えることは、数々のデータからも明らかです。

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