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【速報】第9回「高校生直木賞」受賞作決定のお知らせ

【速報】第9回「高校生直木賞」受賞作決定のお知らせ

文:「オール讀物」編集部

高校生たちが選ぶ「今年の1冊」――熱い議論の結果は?


ジャンル : #小説 ,#エンタメ・ミステリ ,#歴史・時代小説

 第9回高校生直木賞(同実行委員会主催、文部科学省ほか後援)の選考会が、5月22日13時より、オンラインにて開催され、下記作品が受賞作として決定いたしました。

 本年は過去最多となる、38校が参加して開催されました。

受賞作 逢坂冬馬 『同志少女よ、敵を撃て』(早川書房 刊)

■高校生直木賞とは

 全国の高校生たちが集まって議論を戦わせ、直近1年間の直木賞の候補作から「今年の1作」を選ぶ試みです。フランスには、読書教育の一環として25年以上にわたって行われている「高校生ゴンクール賞」(毎年2000人を超えるフランスの高校生たちが参加し、権威ある仏ゴンクール賞の候補作の中から自分たちなりの1作を選ぶ)があります。その日本版を目指して2014年5月に第1回が開催され、『巨鯨の海』(伊東潤)が受賞。以降、第2回『宇喜多の捨て嫁』(木下昌輝)、第3回『ナイルパーチの女子会』(柚木麻子)、第4回『また、桜の国で』(須賀しのぶ)、第5回『くちなし』(彩瀬まる)、第6回『熱帯』(森見登美彦)、第7回『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』(大島真寿美)、第8回は『雲を紡ぐ』(伊吹有喜)と『オルタネート』(加藤シゲアキ)の2作が選ばれました。第9回となる今回は、全国38校、約290名の生徒が選考に参加しています。

■高校生直木賞実行委員会 代表 伊藤氏貴氏のコメント

 過去最大の38校の代表者が熱い議論を戦わせました。世界がさまざまな困難に見舞われる中で、戦争などを扱った作品を巡って「高校生直木賞」とは、よい作品とはなんぞやという本質的な問題も、例年以上に真剣に論じられました。最後まで票は割れ、議論は永遠に続くのではないかとさえ思われましたが、最終的に一作が選ばれました。その過程は「オール讀物」7月号や高校生直木賞のHPに発表されますので、ぜひお読み下さい。

■受賞者 逢坂冬馬氏のコメント

 戦争小説は長らく圧倒的に男性的なものとされ、読者の年齢層も高い傾向があります。しかし、戦争に関しては様々な側面があり、色々な人に自分の問題として考えてもらう可能性があるものだと思ってきました。それゆえに、あえて実在した戦争のある局面をモデルにしながらも、若者が、そして女性が戦う戦争の物語を執筆しました。長時間の、真剣な議論の末に、高校生の皆さんに優れた小説と認められたこと、本作が皆さんの心に届いたことを何よりも嬉しく思っています。

■今回の参加校一覧

立命館慶祥高等学校/北海道函館西高等学校/岩手県立盛岡第四高等学校/茨城キリスト教学園高等学校/渋谷教育学園幕張高等学校/埼玉県立浦和第一女子高等学校/埼玉県立所沢高等学校/聖学院高等学校/東京成徳大学高等学校/豊島岡女子学園高等学校/学校法人駒込学園 駒込中学校・駒込高等学校/三輪田学園高等学校/麻布高等学校/実践女子学園高等学校/渋谷教育学園 渋谷高等学校/品川女子学院/中央大学杉並高等学校/田園調布学園高等部/国際基督教大学高等学校/都立国立高等学校/晃華学園高等学校/東京純心女子高等学校/東京都立南多摩中等教育学校/横浜富士見丘学園中学校・高等学校/学校法人 横須賀学院/私立向上高等学校/静岡県立磐田南高等学校/加藤学園暁秀中学校・高等学校/藤枝明誠高等学校/豊川高等学校/名古屋大学教育学部附属高等学校/岐阜県立郡上北高等学校/滋賀県立彦根東高等学校/学校法人大阪医科薬科大学 高槻高等学校/愛媛県立八幡浜高等学校/筑紫女学園高等学校/九州産業大学付属九州高等学校/鹿児島県立松陽高等学校

■第9回「高校生直木賞」候補作

逢坂冬馬 『同志少女よ、敵を撃て』(早川書房)
一穂ミチ 『スモールワールズ』(講談社)
今村翔吾 『塞王(さいおう)の楯(たて)』(集英社)
佐藤究 『テスカトリポカ』(KADOKAWA)
澤田瞳子 『星落ちて、なお』(文藝春秋)
米澤穂信 『黒牢城(こくろうじょう)』(KADOKAWA)

選考結果の速報は「オール讀物」7月号(6月22日発売)に掲載予定です。


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