電子書籍

襷がけの二人

価格:※各書店サイトで確認してください
発売日2023年09月25日
ジャンル小説

オール讀物新人賞で注目を浴びた新鋭、初の長編小説

作品紹介

裕福な家に嫁いだ千代と、その家の女中頭の初衣。
「家」から、そして「普通」から逸れてもそれぞれの道を行く。


「千代。お前、山田の茂一郎君のとこへ行くんでいいね」
親が定めた縁談で、製缶工場を営む山田家に嫁ぐことになった十九歳の千代。
実家よりも裕福な山田家には女中が二人おり、若奥様という立場に。
夫とはいまひとつ上手く関係を築けない千代だったが、
元芸者の女中頭、初衣との間には、仲間のような師弟のような絆が芽生える。

やがて戦火によって離れ離れになった二人だったが、
不思議な縁で、ふたたび巡りあうことに……

幸田文、有吉佐和子の流れを汲む、女の生き方を描いた感動作!

担当編集者より

オール讀物新人賞でデビューし、短篇集『スナック墓場』が話題になった嶋津輝さん。本作は初の長篇書き下ろし小説です。
いただいた原稿を読み始めてすぐ、なんて読んでいて気持ちのよい小説なんだろう、と思いました。裕福な山田家の若奥様が板につかない千代を、立てて支える女中のお芳ちゃんとお初さん。女主人と女中たちという枠を越えて育まれる優しくやわらかな関係がいとおしく、ずっとこの三人のやりとりを読んでいたくなります。
作中には当時最先端だったタンシチューや、旬の素材を使ったお料理が作られるさまが描かれ、台所の匂いや音が伝わってくるよう……。
しかし、まるで安全な箱庭のようだった山田家に、「ずっとこのままではいられない」と思わせるような事態が次々と起こります。
戦争に向かう動乱の時代のなかで、自分には何ができるのか。大切にするべきものは、何なのか。
幸田文や、有吉佐和子の作品が好きな方にはたまらないはず。大正から戦後を生きる女たちを描いた名作です。

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