インタビューほか

特別対談
池田克彦(第88代警視総監)×堂場瞬一

「本の話」編集部

『親子の肖像 アナザーフェイスØ』 (堂場瞬一 著)

幹部が集まって、単身高齢者対策!?

堂場 もう1つ興味があるのが、警察官と結婚についてです。昔よく聞いたのが、とにかく早く結婚しろと、23、4歳の職員に上司が話をもってくると。

池田 そうですね、早く身を固めないといい仕事はできないよという考えが非常に強くあります。たとえば機動隊なんかいくと、年に1回寮祭をやるんですが、そこにはいろいろな独身女性を呼んで盛り上がるんです。女性警察官だけじゃなく、出入りしている生命保険会社の若い女性や一般企業のOLさんたちを呼んで。そういう時に女の子を集めようと走り回るのはだいたい幹部(笑)。

堂場 結婚に関して、すごく面倒見がいいんですよね。よくお見合い話もってきたりして、すごいですよね。記者時代、なんで俺に声かけてくれないのかなと思ってましたよ(笑)。警察が非常に家庭を重視している表れですね。家庭をもって初めて社会がわかる、みたいな。

池田 私が警視庁の機動隊長をやっていた頃は、幹部で集まっては、単身高齢者対策をするわけです。「あいつは何とかしてやらなきゃいかん!」と。今はさすがにそこまでしないようですが。

堂場 プライベートなところには触れない、みたいな風潮は出てきているんですか。

池田 それはあります。結婚するかしないかは最終的には個人の問題ですから。随分以前は結婚していない人は警部になれなかったんですよ。

堂場 離婚もかなりマイナス評価になると聞きました。家庭を守れない人は管理職としてどうかと。

池田 さすがにそれも今はないですね。離婚していても、署長をやるのは珍しくなくなりました。

堂場 かなり一般社会の感覚に近づいてきたわけですが、それによって現場の警察官のメンタリティは変化してきましたか。

池田 以前に比べて、プライベートな部分に口出しされたくないという傾向は強まったと思います。でも今も昔ながらの規律は厳しくて、たとえば仲間と飲むときに2次会ってまずやらないんです。これは事故につながりやすいと。そういう意味ではプライバシーでも仕事に影響するような規律は守るという文化は残っています。最後は締めていると思います。

堂場 それにしても警察官のお酒は、非常にピッチが速いですよね。30分もしないうちにあっという間にできあがる。

池田 たしかにペースは速い。

堂場 6時くらいから飲み始めて、夜9時くらいに事件が起きて現場に行くと、さっきまで飲んでいたはずの人が素面(しらふ)で来てるんですね。早く飲んで早く酔っ払って、早く覚ます。警察官には何度も潰されました(笑)。

池田 私からしたら、マスコミの人たちのほうがよっぽど飲み方が激しいですよ(笑)。

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親子の肖像 アナザーフェイスØ
堂場瞬一・著

定価:本体550円+税 発売日:2014年10月10日

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