- 2016.10.28
- インタビュー・対談
「ご機嫌」の価値を日本中に広めたい
「本の話」編集部
『さよなら、ストレス 誰にでもできる最新「ご機嫌」メソッド』 (辻秀一 著)
ジャンル :
#ノンフィクション
昨年末から義務化された企業によるストレスチェック。しかし、アンケートに答えたくらいで、このストレスが解消されるとは正直思えない。では、日々、我らを襲うストレスの嵐に、いったいどう向き合えばいいのか……。そんな切実な問いに、わかりやすく答えてくれるのが本書。しかも、お金も時間もかけずに、ストレスフリーになれるという。こんなうれしい話を書いてくれた、辻先生とはどんな人なのだろうか――。
――辻先生はスポーツドクターとして多くのアスリートのメンタルトレーニングを指導されていますが、具体的にはどんな選手たちですか?
たとえばテニスでは、今年のリオデジャネイロ・オリンピックに出場し、デビス・カップでは錦織圭選手とダブルスを組んだ杉田祐一選手が、僕のところでメンタルトレーニングをしています。野球では、今年、4年ぶりの復活勝利を挙げた阪神タイガースの秋山拓己投手がそうですね。
――スポーツ心理学のメソッドを応用して、企業の産業医や健康コンサルタントもされていますが、代表的な企業はどこですか?
ジャパネットたかたさんとは、先代社長の高田明さんの時代からお付き合いがあります。みなさんもCMでよくご存知の高田さん、ハイテンションで、「超ご機嫌」でしょう(笑)。だから、われわれは買いたくなる。実はきびしい方ですが、ご機嫌でいることの価値をよくご存知なんです。だから、スポーツ選手がメンタルトレーニングをするのと同じように、ビジネスマンも働く上で心を整えたほうがいいと考えられて、この10年ほどお付き合いがあります。
――辻先生が、スポーツ心理学やスポーツ医学をビジネスマンなど普通の人たちに応用しようと考えたのは、どんなきっかけがあったのですか?
基本的に、僕の大きなテーマというのは、クォリティー・オブ・ライフ、つまり人生の質をいかにして上げていくかにあります。その人生の質に大きく影響するのが、心の状態と健康状態。しかし、これまでの日本では、心や肉体に対して「後ろ向き」のアプローチが多かったと思います。つまり、「病んだ心」や「病気の肉体」に対してどうするかが中心で、その専門家は大勢います。僕は、そうではなく、心や肉体を、「より良く、高い状態」にもってゆくためのサポートをしたいと思ったのです。そのヒントがスポーツ心理学やスポーツ医学にあったということですね。
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