学生の多くは休みに入り、大人の夏休み(お盆)も間近。帰省したり旅行に出掛けたり、いろいろ計画しているかと思いますが、特に予定のない日は日ごろ気になっていること、あまり興味を向けないことを掘り下げてみてはいかがでしょうか。
そこで本日は、大人の自由研究に役立つ“身近な科学”をテーマに、8冊の本をピックアップしてご紹介。普段の生活にも役立つ科学知識が満載です。
『よく眠るための科学が教える10の秘密』 (リチャード・ワイズマン 著/木村博江 訳)
『色の秘密 色彩学入門』 (野村順一 著)
『恋する昆虫図鑑 ムシとヒトの恋愛戦略』 (篠原かをり 著)
『ティラノサウルスはすごい』 (土屋健 著/小林快次 監修)
『卒アル写真で将来はわかる 予知の心理学』 (マシュー・ハーテンステイン 著/森嶋マリ 訳)
『脳科学は人格を変えられるか?』 (エレーヌ・フォックス 著/森内薫 訳)
『その科学があなたを変える』 (リチャード・ワイズマン 著/木村博江 訳)
『錯覚の科学』 (クリストファー・チャブリス、ダニエル・シモンズ 著/成毛眞 解説/木村博江 訳)
※掲載は単行本の発売日が新しい順です。
実験をもとにした科学で説く、睡眠不足の怖さ・快眠のコツ
『よく眠るための科学が教える10の秘密』 (リチャード・ワイズマン 著/木村博江 訳)
短時間睡眠の真実、睡眠時無呼吸症候群やいびきの解決法、睡眠学習の驚くべき事実――自ら「不眠」に悩んだ著者が、「快眠」のコツを科学的に明らかにした1冊です。有名大学で行われた科学実験で実証された方法が示されるのはもちろん、読者が簡単に出来る実験も紹介されています。
睡眠時間は人生のおよそ3分の1を占めるといわれ、睡眠不足は肥満や容姿にも影響を与えるとも。睡眠の「質」を高め、人生をよりよく送りたい人は、ぜひ一読を。
■自著を語る(本の話WEB 2015.11.13)
睡眠不足は事故、肥満、容姿衰えのもと
色の効果を味方につける方法
『色の秘密 色彩学入門』 (野村順一 著)
人の心と体に大きな影響を及ぼす“色”の効果を、日本の商品学の草分け的存在である商学博士が科学的に解明。色に関するトリビアが詰まっていて、“黒い下着を愛用すると老け込む”なんて恐ろしい事例も(ちなみに、健康をたもつなら白の下着が良いそうです)。
好みで相性、適職さえもわかり、ストレス解消にも役立つ色の効果。実生活に活かすことで、毎日の暮しを快適に出来る科学の世界に触れてみては。
■特集(本の話WEB 2015.11.19)
老けてみえる色は何? 深い眠りにさそう色は? 色は生命なり、力なり
ゴキブリは“一途”――その理由は生態と交尾方法にあり!
『恋する昆虫図鑑 ムシとヒトの恋愛戦略』 (篠原かをり 著)
昆虫をこよなく愛する“現役慶應ガール”の著者が、イマドキの若者の恋愛模様を、昆虫の驚くべき恋愛戦略や交尾方法にたとえて分類。多くの人が恐怖と嫌悪の目を向ける“ゴキブリ”系女子が“一途”だと言われてもピンとこないかもしれませんが、メスから求愛する昆虫の多くが何度も交尾を繰り返すのに対し、ゴキブリのメスが交尾するのは生涯でただ一度だけだとか。
身近な昆虫の生態を学びつつ、恋愛タイプや対処法までわかるという、1冊で2度おいしい作品です。
■インタビュー・対談(本の話WEB 2015.10.28)
一途なゴキブリ系女子、コスパ良好のセアカゴケグモ系男子とは。出版甲子園で優勝した仰天企画が本になって登場
現代の古生物学が描き出すティラノサウルスの姿
『ティラノサウルスはすごい』 (土屋健 著/小林快次 監修)
多くの謎を秘めた古代生物――恐竜には、ビジュアルのかっこよさに加え、未知なるロマンが詰まっています。中でも、ティラノサウルスはいつの時代も人気もの。この史上最強の肉食恐竜に関するさまざまな情報をまとめたのが本書です。
恐竜の研究は日進月歩で進んでいて、今の大人が子どもの頃に目にしたティラノサウルスの姿とは違うかもしれません。その理由が、最新の科学的知見をもとに解説されている点も魅力。イラストや図版がたっぷり使われているので、親子で楽しんでみるのもおすすめです。
■自著を語る(本の話WEB 2015.07.08)
恐竜の研究=古生物学は探偵学なのです
外見やしぐさで将来を予知できるのか?
『卒アル写真で将来はわかる 予知の心理学』 (マシュー・ハーテンステイン 著/森嶋マリ 訳)
“予知”と聞いて、胡散臭いと感じる人もいるかもしれません。しかし、本書で紹介される予知に関する様々な事例は、対照実験に基づいて統計的に得られた研究結果から導かれています。
タイトルにもなっている卒アル写真のほか、CEOの顔写真だけで会社の業績がわかる、ウエストとヒップの比率でモテる女性がわかるなど、にわかには信じがたいような科学的事実が満載。あくまで傾向、100%当てはまるわけではありませんが、将来を知る手掛かりのひとつとして要注目です。
■自著を語る(本の話WEB 2014.11.17)
卒業アルバム時点で離婚率がわかる!? 未来を見抜く、外見の「手がかり」
前向きな性格は遺伝子が影響していた!?
『脳科学は人格を変えられるか?』 (エレーヌ・フォックス 著/森内薫 訳)
楽天的な人、悲観的な人の違いは何か? この問いに対し、本書の著者であるオックスフォード大のフォックス教授が、驚くべき実験と調査の数々から迫ります。そして、前向きな感情を起こさせる物質、セロトニンを脳内で生み出す特定の遺伝子を発見、性格は遺伝子によって決まっているのかというところにまでメスを入れます。
そしてさらなる研究によって、これらの遺伝子は環境によってその働きが変わってくるという驚くべき結果が。脳科学で性格を変えることはできるのか? 最先端の科学が脳の驚異の世界に誘います。
■特設サイト(本の話WEB)
NHK Eテレ「心と脳の白熱教室」エレーヌ・フォックス『脳科学は人格を変えられるか?』
“自分を変えるには、考え方を変えろ”は間違いだった
『その科学があなたを変える』 (リチャード・ワイズマン 著/木村博江 訳)
“心のもちよう”という言葉がありますが、本書で実証されていることはその真逆。考え方を変えるのではなく、行動することで気持ちが変わっていく――その根拠として、著者である心理学者・ワイズマン博士は、古今東西の有名大学で行われた研究実験結果を縦横無尽に紹介しつつ、効果を示していきます。
この「~のように行動する」ことで気持ちを変える方法は、幸福感、やる気、恋愛、説得力、若々しさとあらゆる心のもちように効果満点。何かを変えたいともやもやしている人は、まずは行動=本書を手に取ってみては。
■書評(本の話WEB 2013.11.19)
『ちゃうんちゃうか精神』で読んでみる(文:仲野徹|大阪大学大学院教授)
自分の知覚がいかにいい加減か――脳の“錯覚”を科学する
『錯覚の科学』 (クリストファー・チャブリス、ダニエル・シモンズ 著/成毛眞 解説/木村博江 訳)
本書で扱う錯覚のテーマは、注意、記憶、自信、知識、原因、可能性の6つ。えひめ丸はなぜ沈没したのか、レイプ被害者の女子大生が無罪の男性を犯人と名指ししてしまった理由――それぞれ具体例を挙げながら、ハーバード大学の2人の俊才は、本書でヒトの認知行動のメカニズムを次々に明らかにしていきます。
こうした重大事件のほかにも、“脳トレはボケ防止には効果がない”、“モーツァルト効果はインチキ”など、身近な通説の誤りも指摘。これまでの脳科学の“常識”が覆される1冊です。
■解説(本の話WEB 2014.08.16)
脳トレ・ブームに騙されるな!(文:成毛眞|書評サイト「HONZ」代表)
■書評(本の話WEB 2011.01.20)
直感的すぎる時代への処方箋(文:岡ノ谷一夫|東京大学大学院総合文化研究科教授)
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『リーダーの言葉力』文藝春秋・編
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