- 2016.10.28
- インタビュー・対談
「ご機嫌」の価値を日本中に広めたい
「本の話」編集部
『さよなら、ストレス 誰にでもできる最新「ご機嫌」メソッド』 (辻秀一 著)
ジャンル :
#ノンフィクション
「ストレスの海」から「ご機嫌の陸地」へ
――昨年末から企業のストレスチェックが義務化されました。しかし、会社のストレスチェックを受けても、ストレスがなくなりそうにない、という声をよく聞きます。
国は「ストレスが問題だ」と言いますが、それが「ストレッサー」という外からの刺激のことなのか、それとも心の状態である「ストレス状態」のことなのか、きちんと区別されているのかどうかが重要です。区別しないまま対策を立てても、あまり有効であるとは思えません。
もちろん、本当に悪いストレッサーもあります。ブラック企業の勤務状態や、有害物質への暴露などは、問答無用で悪いストレッサーであると言えます。しかし、その他の外からの刺激には、人生において必要な、たとえば人間を成長させてくれるようなものも少なくありません。一言で、ストレッサーがすべて悪いとは言えないのです。勉強はストレスですか? 原稿の締め切りはストレスですか? もし、ストレッサーがまったくない、無菌状態のような環境があれば、人間は脆弱化してしまうことでしょう。
このように、素晴しい刺激、必要な負荷というものが世の中にはあるのですが、それを心のストレス状態にしてしまって、まるで「ストレスの海」の中で必死にもがくようになってしまうと、それは心にも肉体にも悪い影響を与えてしまいます。同じストレッサーでも、それを「ご機嫌」な状態でやることができれば、人生の質もどんどん高まっていく。それが私の言いたいことなのです。ちょっと「ストレスの海」から「ご機嫌の陸地」へ上がって、やるべきことをやる。それだけで豊かな人生になることを、日本中の人にわかってもらいたいのです。
――辻先生の「ご機嫌」メソッドは、お金も時間もかからないそうですね。
これまで、みんなストレス対策を外に求めてきました。しかし、心の状態を決めているのは、頭の中にある「脳」なのです。それが理解できれば、物や外部に頼らなくても、「ご機嫌」が作れる。みんなの頭の中に大事な機能があるのに、それを錆びつかせてしまっているだけなんですね。そのことに気がついてほしいと心から思います。自分の頭の中にあるものですから、どこへでも持ってゆくことができます。ある程度、思考法を練習して、習慣化さえしてしまえば、人生においてどんな「ストレスの海」にでも飛び込んでいけるはずです。
――実は私も、この本の中にある思考の習慣「ライフスキル」を試してみたことがあります。ストレス状態で眠れないとき、「No Pasa Nada(何も起きていない!)」と自分自身に語りかけてみたのです。本当にびっくりするくらい、心が穏やかになって、ぐっすり眠れたのには驚きました。
このメソッドには、特別な才能がなければできないことはありませんし、外部に何か必要なものがあるわけでもありません。そうやって、日本人全員が、「ご機嫌」になること。それが私の願いであり、志でもあるのです。
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