東京・上野――浅草時代の日常
第3話「東京の東 東京」は、浅草に住んでいたときのことを盛り込んでいます。
浅草には風呂屋がたくさんあって、今日はどこに行こうかなって、いつも迷ってました。稲荷町の寿湯も好きだったんですが、その近くに、やっているのかどうかわからない弁当屋があって、そこが舞台です。まりも、だったか、まるも、だったか、名前が気になって……あ、「まりっぺ」ですよ「まりっぺ」! 誰だよ、まりっぺって(笑)。
弁当を買ったことはありません、すんません。ちなみに、合羽橋の「お肉屋さんのお弁当」(肉のマルタケ)をよく買ってました。
三ノ輪のフィリピンクラブは、べろべろに酔っぱらって、友達と行ったことがあるんですね。古い雑居ビルのなかで、すごく安かった。何年か前に、装幀の池田進吾さんと浅草で飲んだとき、「場末のフィリピンクラブで、すげえとこあるんですよ」って連れて行ったら、がらんどうになってて「なんだよここは!」。潰れてました。鍵が開いてて、店の中まで入れちゃったんですけどね。
合羽橋の道具街から、風呂屋に寄って、鷲神社のほうへいくのは、いつもの散歩コース。
蕎麦屋のモデルは、「角萬」です。
ここの冷やし肉そば、ぶっとくて短めでコシが強くて、うまいんですよ! 唐辛子ぶっかけて食べるのが好きで、よく行ってましたね。「冷や大」が量があってオススメです。
吉原に行く前に、大声で店に電話してるおっさんが出てきますが、これは全部事実です(笑)。なんでこんな大声でしゃべるんだ、って気になって気になって。隣の人の会話、聞いてしまうほうです。そのまま小説に書いちゃったりしますね。
葛西臨海公園は、ひとりで自転車で行ってました。浅草から2、3時間くらいで行けるかな。
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