2018.07.30 書評

陰々滅々たる過疎地風。なのになぜ、福井の人はやたらと明るいのか

文: 佐々木俊尚 (ジャーナリスト)

『福井モデル 未来は地方から始まる』(藤吉雅春 著)

『福井モデル 未来は地方から始まる』(藤吉雅春 著)

 私は二〇一五年夏から福井県内に家を借りていて、いまは東京と長野、福井の三か所の拠点を行ったり来たりしながら移動生活を続けている。福井では当初は越前町の山の上に住んでいたが、二年後に縁があって若狭湾沿いの美浜町に移り、築百年あまりの古民家をリノベーションした家に住まいを構えている。

 もともとこの土地に縁もゆかりもなかった私が福井に通うようになったのは、二〇〇〇年代初めごろにIT関連のスタートアップをたくさん取材するようになったからだ。意外にも福井を拠点に活動している会社が少なからず存在していることを知り、取材を重ねるうちに彼の地の起業家たちと仲良くなって、とうとう毎年のように足を伸ばして福井を堪能するようになり、気がつけば第二の故郷のように感じるまでになった。その流れで家を借りるところまで行き着いたのである。

 そして知れば知るほど、この福井というのはとても不思議な場所だということに気づいてくる。



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福井モデル藤吉雅春

定価:本体710円+税発売日:2018年07月10日