地方をどう再生するのか、活性化するのかという議論が盛んだ。そのためには地域のコンテンツを生かし、ブランディングしなければならないとも言われている。しかし地方のコンテンツなんて、極論なのを承知で言い切ってしまえば、地方によってそう変わるものではない。どこだって景色は綺麗だし、蕎麦や魚は旨い。じゃあ地方にとって最も大切なのは何かといえば、やはり「人」なのではないかと思う。
本書の最後に著者が書いている。「未来への投資が行われている背景には、それを支える地元の共通の価値観があるからだろう。誰かがやってくれるのではなく、自分たちで何とかする。文化も事業も自分たちで継承し、革新を起こしていく」
こういう価値観の共有と、それを実現していこうという熱意と創意の人たちがいる場所であれば、どんな場所であっても盛り上がるし、楽しくなる。私がいま住んでいる福井県美浜町は人口わずか九千人の海沿いの街で、名産のへしこ(鯖のぬか漬け)は旨いし海もきれいだけれど、それ以上に特段の何かがあるわけではない。空き家は多く、歩いてる人も少なく、一見すると過疎化が進んでいる。
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