アメリカと日本では状況がずいぶん違っていて、アメリカは電子書籍の専用端末が先に出て後からスマホが出たんですが、日本では専用端末は2010年まで発売していなかったので、先にスマホが出てその後で電子書籍端末が出ています。
ほかにも、アメリカは車社会なのですでにオーディオブックは普及していたり、そういう中でアメリカではユーザーがどんどん自分たちの生活に落とし込んだ使い方をしていったわけです。
日本では最近になってやっとネットサービスの一環として一般の人たちが普通に利用するもの、スマホの中にあるアイコンの一つという感覚になってきたと思います。
松原 日本ではガラケーの時代がしばらくあったので、電子書籍というとまずエッチな漫画などが先行したという事情もありました。
司会 いわゆる携帯小説というのが流行ったのもガラケーの時代でしたね。
松原 携帯小説やエッチ系のマンガなどの流れと、いまわれわれがやっているような電子書籍の流れと、初期の頃は二系統が並行して進んでいました。うちは丸善ジュンク堂や文教堂といったリアル書店が母体なので、当時、エロ系のものが売上ランキング上位に並ぶような状況で困った覚えがあります(笑)。
柳井 むかしは電子書籍の端末というと、電子辞書や電子手帳と同じジャンルと誤解されることも多かったですよね。ちょっと珍しいガジェットが好きな人が持ちたがるもの、みたいな。
司会 最初の頃は、電子書籍もネット上のものなので、データが流出してしまうんじゃないかというようなことも言われましたね。
加藤 そうなんですよ。一度、文春さんのやってらしたFM東京さんのラジオ番組にゲストで呼んでいただいたんですが、その時も海賊版のこととか、著作権がらみの話、あるいは図書館関係の問題ばかりで、早朝だったので頭が回らなくて大変でした(笑)。
司会 当時のアマゾンのイメージが悪かったということもあったかもしれませんね。著者の間でも、電子化に消極的だった人たちには、アマゾンに対する警戒感みたいなものが二の足を踏ませたところがあったように思います。黒船来襲みたいな(笑)。
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