佐藤 私の場合はいまの電子書籍については、あまり抵抗なく読み始めることができました。ただ、ベースにはこれまでずっと紙で読んでいたというのがありますので、あまり章立ての細かいものを読んでいると、なにか違うものを読まされているという感覚になることはあります。
私ももうすぐ40ですので(苦笑)、もっと若い人はもう少し違う感覚なんだろうと思います。そういう意味では、紙の本を読み慣れていない人が電子書籍に入ってきた時に、本当の意味で新しい読者を獲得することができたことになるのかもしれませんね。
司会 日本語は大変便利で、縦組みにも横組みにもできるわけですが、小説はやっぱり縦組みで読みたいという人が多いようです。
松原 眼球の移動の多さ/少なさが、読解スピードを左右するという学説があります。その学説に従い、眼球移動が少なくてすむよう、文章を真ん中に寄せ、どんどん切り替わってという電子書籍フォーマットがあります。それを使うと非常に早く読めるそうです。
司会 各々の個人の慣れとは別に、人間工学的に言えばそちらが正解ということはあるんでしょうね。
矢部 いつも電子が紙の風下にある必要はないわけですから、これからの人向けに、もっと便利だったり楽しかったりという新しい可能性を追求していきたいですよね。
松原 そういう意味では今回の作品も、ストーリーに無駄がないところなど、電子を意識しているなということを強く感じました。さっきおっしゃった表現方法とかも含めて、どういったことを意識して書かれたんでしょうか。
柳井 電子はなぜか紙よりも記憶力が働かないような気がするので(笑)、あまり記憶力を使わなくてもすむように、文章については改行を増やす、それと1ブロックごとにある程度話が完結するように心がけました。電子書籍でも出すけれどネット上での連載もやることが決まっていたので、読者が次の更新の時に前の話を忘れてしまうと困るなと思いましたので。
それと、電子書籍は紙の本よりも細切れで読む傾向が強いように思います。紙の本ももちろん通勤の時などにちょっとずつ読むということもありますが、電子は本当にちょっとした瞬間に数行だけ読むということがけっこうあります。私も端末を常にパソコンの横に置いていて、電子書籍を表示したまま仕事をして、ちょっと疲れたら見るみたいなこともしています。
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