本の話

読者と作家を結ぶリボンのようなウェブメディア

キーワードで探す 閉じる
親になるとはどういうことか──自らの生き方を問われる、力強い物語

親になるとはどういうことか──自らの生き方を問われる、力強い物語

文:大塚真祐子 (書店員)

『漂う子』(丸山正樹 著)

出典 : #文春文庫
ジャンル : #小説

『漂う子』(丸山正樹 著)

〈「『居所不明児童』にはカウントされていない、しかし『行方の分からない子供』は、実際にはもっとたくさんいるんです」

「え?」

「文科省の調査の対象になっているのは、『一年以上の居所不明者』だけです。ですがお探しのお子さんのように、いなくなって一年未満の児童もたくさんいます」〉

 居住の事実が認められず、住民登録が抹消されれば、その後は調査の対象から外れ、その子供の存在自体が消されてしまうこと、こうした子供たちを探し、安否を確認するための具体的な行動は、現在でも何もなされていないこと、などが説明として続く。

 連日聞こえてくる児童虐待のニュースで、必ずと言っていいほど槍玉にあがるのが、児童相談所の誤った対応や、学校や警察との連携の悪さだろう。これだけ同じような事件が繰り返されながら、なぜ救えなかったのか。子供の人権救済のため、行政では介入できない部分をサポートする活動をしているという河原は、次のように語る。

文春文庫
漂う子
丸山正樹

定価:902円(税込)発売日:2019年11月07日

ページの先頭へ戻る