〈「『居所不明児童』にはカウントされていない、しかし『行方の分からない子供』は、実際にはもっとたくさんいるんです」
「え?」
「文科省の調査の対象になっているのは、『一年以上の居所不明者』だけです。ですがお探しのお子さんのように、いなくなって一年未満の児童もたくさんいます」〉
居住の事実が認められず、住民登録が抹消されれば、その後は調査の対象から外れ、その子供の存在自体が消されてしまうこと、こうした子供たちを探し、安否を確認するための具体的な行動は、現在でも何もなされていないこと、などが説明として続く。
連日聞こえてくる児童虐待のニュースで、必ずと言っていいほど槍玉にあがるのが、児童相談所の誤った対応や、学校や警察との連携の悪さだろう。これだけ同じような事件が繰り返されながら、なぜ救えなかったのか。子供の人権救済のため、行政では介入できない部分をサポートする活動をしているという河原は、次のように語る。
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