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韓国に蔓延する「確証偏向症」の正体とは

韓国に蔓延する「確証偏向症」の正体とは

牧野 愛博

『韓国を支配する「空気」の研究』(牧野 愛博)

出典 : #文春新書
ジャンル : #ノンフィクション

『韓国を支配する「空気」の研究』(牧野 愛博)

 この知人は調査結果について、こう説明してくれた。

 韓国人は日韓関係については非常に敏感だ。2018年には年間約750万人が日本訪れた。わずか1年間で国民の7人に1人が訪日したことになり、みな、それなりに日本の実像を知っている。同時に、韓国で公に「日本が好きだ」ということははばかられる。過去の日本統治に対する記憶が残るなか、日本を支持することは反民族・反社会的な印象を持たれてしまうからだ。それが、6割が日本を好きでも嫌いでもないとあいまいに答えた結果につながっている。

 他方、こうした韓国の日本に対する「レッテル貼り」が、安易な日本像を伝える結果につながってもいる。韓国内政では激しく対立するものの、対日観ではもっぱら、「反日」を唱えておけば安泰だ。政治家もメディアもろくな調査・取材をせずに、「日本の安倍政権は朝鮮半島の再侵略を狙っている」と伝える。私は、安倍政権も2015年12月の日韓慰安婦合意などで、それなりに日韓関係改善に努力した点もあると評価しているが、韓国の人々はそういう点も「確証バイアス」が働いて、良い点には目を向けようとしない。

 実は、こうした現象は日本の姿を映す鏡とも言える。

 日本でも「親安倍」「反安倍」の対立はすさまじい。かたや、何をしても安倍政権は正しく、こなた、何でも安倍はダメだとなる。

 私の場合、韓国がらみの記事を書くと必ず、右と左の両方から叩かれる。まったく同じ文章なのに、右は「やはり朝日新聞の記者だ。韓国におもねっている」と騒ぎ、左は「朝日新聞のくせに、韓国に冷たい。ウソの情報をもとに、嫌韓記事を書いている」とけなしまくる。

文春新書
韓国を支配する「空気」の研究
牧野愛博

定価:990円(税込)発売日:2020年01月20日

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