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韓国に蔓延する「確証偏向症」の正体とは

韓国に蔓延する「確証偏向症」の正体とは

牧野 愛博

『韓国を支配する「空気」の研究』(牧野 愛博)

出典 : #文春新書
ジャンル : #ノンフィクション

『韓国を支配する「空気」の研究』(牧野 愛博)

 日本側は「パーフェクトゲームだ」と息巻いたが、舞台裏を覗けば、何ということもない。米ホワイトハウスのポッティンジャー副補佐官(国家安全保障担当)が、韓国大統領府の金鉉宗(キムヒョンジョン)国家安保室第2次長と、首相官邸の林肇内閣官房副長官補に、それぞれ「GSOMIAは延長しろ」「輸出措置で韓国に配慮しろ」と圧力をかけた結果だった。

 親しい日本外務省の知人の言葉を借りれば、米国は漫画「ドラえもん」のキャラクター、ジャイアンだ。「のび太(日本)とスネ夫(韓国)がケンカをしていても、ジャイアンに怒鳴られれば、とたんにおとなしくなってしまう」という構図に過ぎない。

 日本人として余りに情けない。きっと韓国人も同じ思いだろう。

 個人のケンカもそうだが、他人からしてみれば、ケンカをしている日本と韓国の、どちらが正しいかということには興味が無い。ケンカ自体が迷惑なのだ。私が11月に出張で訪れた豪州の安全保障の専門家たちは「日本と韓国の関係悪化を心配している。東南アジア諸国も米国も同じ思いだ」と語っていた。世界は日本と韓国だけのものではない。

 本書では、韓国の人々の生き方や考え方をなるべく低い目線で、日常の暮らしぶりなども含めて紹介しようと思う。本書を手に取っていただいて、韓国を考えたときの私たちの心の中に「確証バイアス」が存在していないかどうか、いま一度考えてみていただけたら、とてもうれしい。


*文中一部敬称略、年齢は取材当時

文春新書
韓国を支配する「空気」の研究
牧野愛博

定価:990円(税込)発売日:2020年01月20日

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