多くの名将・勇将を輩出していた土地の共通点とは
火山性草原、氾濫原草原のほかにも、地質や気象条件によって、列島各地にまとまった面積の草原が存在することがわかってきた。
草原の環境がつづく原因となったのが「黒(くろ)ボク土(ど)」という土壌の存在である。黒ボク土とは、関東、東北などの野菜畑、果樹畑でよく見かける黒っぽい土のことだ。
どのようにして黒ボク土が形成されたのかは、まだ未解明の点が多いが、いったん形成されると、樹木は、この土壌からは成長に必要な栄養を十分には摂れなくなる。そのため森林に成長することができず、草原となる環境が続くのだ。
戦後昭和期に、肥料などによる対策技術が確立するまで、黒ボク土は農地利用が難しかった。そうした土地を活用する手段のひとつとして、黒ボク土の草原地帯のうち、牧の条件に適した場所は放牧地とされ、馬産地が形成された。そのことと表裏一体の関係として、黒ボク地帯は武士たちの活躍する舞台となる。
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