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「馬」の伝来が歴史を変えた!

「馬」の伝来が歴史を変えた!

蒲池 明弘

『「馬」が動かした日本史』(蒲池 明弘)


ジャンル : #ノンフィクション

多くの名将・勇将を輩出していた土地の共通点とは

『「馬」が動かした日本史』(蒲池 明弘)

 火山性草原、氾濫原草原のほかにも、地質や気象条件によって、列島各地にまとまった面積の草原が存在することがわかってきた。

 草原の環境がつづく原因となったのが「黒(くろ)ボク土(ど)」という土壌の存在である。黒ボク土とは、関東、東北などの野菜畑、果樹畑でよく見かける黒っぽい土のことだ。

 どのようにして黒ボク土が形成されたのかは、まだ未解明の点が多いが、いったん形成されると、樹木は、この土壌からは成長に必要な栄養を十分には摂れなくなる。そのため森林に成長することができず、草原となる環境が続くのだ。

下北半島・黒ボク土

 戦後昭和期に、肥料などによる対策技術が確立するまで、黒ボク土は農地利用が難しかった。そうした土地を活用する手段のひとつとして、黒ボク土の草原地帯のうち、牧の条件に適した場所は放牧地とされ、馬産地が形成された。そのことと表裏一体の関係として、黒ボク地帯は武士たちの活躍する舞台となる。

文春新書
「馬」が動かした日本史
蒲池明弘

定価:990円(税込)発売日:2020年01月20日

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