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「まんまこと」シリーズは「百(もも)と卍(まんじ)」につながる、漫画家としての原点

「まんまこと」シリーズは「百(もも)と卍(まんじ)」につながる、漫画家としての原点

文:紗久楽 さわ (漫画家)

『ひとめぼれ』(畠中 恵)

出典 : #文春文庫
ジャンル : #歴史・時代小説

『ひとめぼれ』(畠中 恵)

 漫画版「まんまこと」を「プリンセスGOLD」で連載し始めたのは二〇一一年から。『かぶき伊左』シリーズと同時並行で連載しました。

 キャラクターでは、まず町名主の跡取り息子・麻之助。普段のお気楽でのほほんとした顔と、本来のしっかりしている時の顔を、絵の中で共存させないといけない、二面性がしっかとある面差しにしないとと、ずっと考えていました。だんだんのんびりした糸目の比率が漫画では上がっていくんですが……。漫画版最終巻の三巻で啖呵(たんか)を切るシーンは、違和感なしに麻之助の性根のカッコいい部分が現れるようにしたい、と表情にとても気を使いました。「しゃばけ」の若だんなが若草色の着物を着ている、というイメージが柴田ゆうさんの挿絵でとても印象的でしたので、あえて差を出すために麻之助にはそれ以外の、紺や茶、鼠(ねずみ)色をカラーでは着せました。第二巻の「万年、青いやつ 前編」で犬柄の浴衣を着せてみたら、すごく似合っていて、これは新しい発見でした(笑)。

 幼馴染の同心見習い、吉五郎さんは、石頭で堅物(かたぶつ)だけれども意外と女性との絡みが多いので、朴訥(ぼくとつ)そうだけど印象は悪くない、はっきりした顔にしました。「ひとめぼれ」での最後の彼の顔、いつか描いてみたいなと思いました。

お調子者の跡取り息子、ついに後妻を取る!?まんまことシリーズ第七弾『かわたれどき』畠中恵

文春文庫
ひとめぼれ
畠中恵

定価:748円(税込)発売日:2020年06月09日

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