- 2020.10.01
- インタビュー・対談
サイゼリヤでバイトする“異色の一つ星シェフ”が、いま絶好調な理由とは? コロナ時代をタフに乗り切る異才に、注目のSF作家・小川哲が迫る
聞き手:別冊文藝春秋
「村山太一×小川哲」別冊文藝春秋LIVE TALK vol.1[ダイジェスト]
さあ、出来ました。ラッセのスペシャリテ、ラビオリです。これは、イタリア行って惚れ込んで、三年半働かせてもらってた三つ星レストラン「ダル・ペスカトーレ」で教わったものをアレンジした一皿です。向こうではトルテッリと呼ばれているイタリアの郷土料理で、なかに南瓜の詰め物をするんですが、ラッセでは四種のチーズを入れてお出ししています。ソースは、パルミジャーノチーズと生クリームを煮詰めて作ったもの。もうほんとにシンプルなレシピ。せっかくイタリアのいいお店で働かせてもらったんだから、なるべくそのときの体験を伝えたいなと。さあ、ぜひ熱いうちに召し上がってください。
小川 いただきます。うん、おいしいです。
村山 よかった(笑)。
小川 これをオンライン販売しているんですね。
村山 そうです。ラッセの公式サイトにある「ラッセ・ストア」で注文できます。「ラビオリ(冷凍10個入+チーズソース)約2人前」で一〇〇〇円です。もともとeコマースはいつかやりたいねとスタッフと話していたんですが、今回思いがけず時機がきて、その時サッと動けたのはやっぱり、スタッフそれぞれにフリーな時間を確保していたからなのかなと。いまうちは僕を入れて四人でお店をやっているんですが、僕以外の三人は全員二〇代で、みんなやる気に溢れてる。「その時」を視野に入れて準備していたんでしょう。入店一〇年目になる料理長の渡邊理奈が中心となって、通販用にレシピを改良し、入社五年目の斎藤というフロアマネージャーがeコマースを内製化する仕組みを整えた。BASEとかショッピングサイトと組むと、手数料が高いんですよ。全部自前でやるために、コツコツ勉強してくれていた彼の知識がここで役に立ちました。
これからは、やっぱりニーズが変わると思うんです。おいしいものは食べたいけど、安心、安全がなにより大事というのがみんなの本音。それなら、商品のほうからお客さまに近寄っていくしかないんです。
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