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「質問は答えより大事です。」キリスト教を通して人生の真実に迫る

出典 : #文春新書
ジャンル : #趣味・実用

いまさら聞けないキリスト教のおバカ質問

橋爪大三郎

いまさら聞けないキリスト教のおバカ質問

橋爪大三郎

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『いまさら聞けないキリスト教のおバカ質問』(橋爪 大三郎)

 質問は、大事です。

 質問は、答えより大事です。(知ってましたか?)

 質問があれば、答えがみつかる。(たぶん。)

 質問がないと、答えがみつからない。(ぜったいに。)

 質問があって、答えがみつからないことがある。(よくある。)

 質問があって、答えがみつからないなら、その問題を考え続けることができる。これがとっても、大事なんです。

まず、質問しよう

 動物は、質問することができない。だから、ものを考えることができない。

 人間は、質問することができる。だから、ものを考えることができる。

 子どもは、よく質問します。質問するのが面白くて仕方がない。答えなんか、どうでもよかったりする。正しい態度です。

 まず、質問しましょう。答えはあとでゆっくりみつければいいんです。

 ところが大人は、あまり質問しません。

 たいていのことは、知っていると思っている。

 質問すると恥ずかしい、とか思っているひともいる。

 学校では、答えをみつける練習ばかりする。しかも答えは、もう決まっている。はい、正解です。こんなことばかりやっていて、質問をみつける練習をしない。

 おかげで、ものを考える習慣がなくなる。学校の困った副作用です。みんなと同じことを考えていればいいや、と安心する。

大事な問題は、答えがない

 さて、いくら考えても、答えのみつからない質問がある。

 実は、大事な問題ほど、答えがみつからない。(そうでしょう?)

 もしかしたら、そもそも答えがないのかもしれない。

 答えがみつからないと、その問題を考えるのをやめてしまう。(たいていのひとは。)

 だから、大事な問題ほど、ほったらかしになっている。

 それでも、どうしても、大事な問題の答えを知りたい場合がある。せめて、大事な問題をどう考えればいいのか、知りたいと思う。(そうでしょう?)

 そんなとき、どうするか。そういう問題をずっと、考えているひとの意見を聞きます。本を読みます。世の中には、そういう問題をずっと考えているひとがいるんです。哲学とか、宗教とか。

 それで答えがわかるとは限らない。でも、そのひとに質問できる。

 質問できるなら、半分、答えがわかったようなものなのです。

教会の出番だ

 というわけで、キリスト教の出番だ。

 キリスト教は、歴史が長い。およそ人間の考えそうな問題を、全部考えてきたことになっている。教会で質問すれば、なにかわかるんじゃないか。

 ところが、教会では、みんなあんまり質問しません。(私個人の印象です。)

 教会は、質問するところではなく、答えを教えてもらうところ、になっている。

 大事な質問ほど、怖くて聞けないような気がする。

 たとえば、「神さまはほんとにいるんですか?」みたいな。(「いるに決まってるでしょ」、と言われそうだ。)

 そう思ってしまって、教会に行かないひともいるかもしれない。

 とても残念です。

文春新書
いまさら聞けないキリスト教のおバカ質問
橋爪大三郎

定価:880円(税込)発売日:2022年04月20日

電子書籍
いまさら聞けないキリスト教のおバカ質問
橋爪大三郎

発売日:2022年04月20日

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