スポーツの未来
――さて、少し話題は変わりますが、二〇二〇年の東京オリンピックが近づいてきました。今のジュニア世代が活躍する舞台になると思います。お二人は、アスリートにどういう姿を求めますか。
尾木 僕は自分に挑戦している姿。それから、戦い終わった後ライバルと抱き合ったりとか、ああいうのは見ていてすごくうれしいですね。それぞれ自分のベストを尽くし合ったというので、握手したりとかね。それからもう一つは、メダル候補選手ばかりに焦点を当てるのではなくて、例えば最初の一回戦で負けたような人の中にあるドラマとか、奮闘とか、そういうのも大事にして欲しい。メディアの仕事かも知れませんが。
杉山 そうですね。メディアは大きいですね。
尾木 スポーツっていいな、というプロセス等の部分ね。そこを大切に伝えて欲しいなと思いますよね。アスリートだけが「スポーツはいいぞ、いいぞ」というんじゃなくて、受け止める観客の側がメダルにばかりこだわらないことです。
杉山 私自身、今はメディア側ですが、メダルの数にばかり焦点がいくのは本当に薄っぺらいというか、外側のところばかりで残念だなと思います。やはりスポーツの良さってそういうところじゃないんです。結果だけではなくて、頑張るプロセスであったり。見る人、支える人、みんなで盛り上がって、スポーツというステータスがもっと上がらないと。それには、アスリートのもっと高いプロ意識が必要です。インタビューの受け答え一つにしてもそうだと思います。さらには、発するメディアの側にも責任があると思っています。東京オリンピックは、日本のスポーツを変えるためのいい機会だと考えています。
――最後に、愛さんはご自身のお子さまを、どのように育てて行きたいと思われていますか。
杉山 愛情をたくさん注いでいきたいです。私もすごく愛情を受けて育ってきて、自己肯定感も身に付いたおかげで、子どもたちを、どうにかしなきゃいけない、背伸びしなきゃいけないというのがないので、すごく楽というか、肩に力が入らずに生きていけるんです。
先のお話にもあったように、この子はどういう子なんだろうってしっかりと見て、一緒に歩んでいきたいなと思っていますね。何が正解というのはないと思いますので、子どもにとってのベストを、主人と一緒に試行錯誤して探していきたいなと思ってます。
――子どもと親の共学。一緒に学ぶということですね。
杉山 ほんとそうですね。子育てって、子を育てるんじゃなくて子と育つというふうに母が言ってるんですけど。まさに子どもと育っていきたいなというふうに思います。
尾木 教育は「共育」、まさしく共に育つんですからね。
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