佐藤 フェアをきっかけに読んでもらって、それがまた次の本につながるのかなと。去年、NHKの「100分de名著」で取り上げられた本が、紙の書店さんではすごく反応がいいと聞いていたのですが電子ではあまり伸びませんでした。ところが、その本がフェアに入ったらすごく伸びたんです。もしかしたらそれまでもジリジリと上がっていたのかもしれませんが、目に見えるくらい伸びたのはフェアに入ってからでした。
柳井 やはり紙の本屋さんとは違った独特の動きがあるんですね。いま伺っていると、フェアが思った以上に重要という印象です。昔は紙の本は値段が変わらないので、読書家は読みたい本をリストにして、店頭で見かけたら買うという人が多かったと思います。電子の場合はリストの中からフェアに入ったものを買って、面白かったら同じ著者の別の本を読むという感じなのでしょうか。
作家さんの中にはディスカウントされるのを嫌がる方もいると聞いたのですが、電子に関してはあまり得策ではないようですね。もし自分の本を電子で売り伸ばそうと思うのであれば、ある程度そういうことはやったほうがいいということですね。
佐藤 ひとつのきっかけになることは確かです。読者のみなさんも読んでみたい本はたくさんあるでしょうから、その中からどれを選ぼうかという時に、フェアで価格が下がったことが少し背中を押してくれるんですね。
柳井 ほかに、この施策は上手くいったというような具体例はありますか?
佐藤 特にこの本というのではないのですが、例えばA社で出しているある作家さんの作品がすごく売れたというような時に、その作家さんの作品を多く持っているB社さんにお声がけして、「A社さんが出しているこの先生の本が売れているので、B社さんのご本も売り伸ばしたいです」というご提案をすることがあります。こういうフェアは上手くいくことが多いですね。ポイントバックや何パーセントオフといった価格施策で、前月よりは確実に伸びます。
柳井 同じ著者の、ブレイクしたもの以外の作品も売り伸ばせるということですね。
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この企画自体がTwitterなどで拡散されて話題になり、「なつかしい」という声が多くてとても好評でした。これまで電子書籍を読んだことない人たちに、“懐かしさ”を提供することで、改めてコンテンツの魅力、および電子書籍の魅力を伝えられたのではないでしょうか。
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