![電気も水道もない山奥で暮らす老夫婦が、テレビクルーを大いに焦らせた出来事](https://b-bunshun.ismcdn.jp/mwimgs/5/a/1500wm/img_5a2ae32efcf366773f2059f6aca000fd203042.jpg)
![](/mwimgs/0/d/1000wm/img_0dd89a7e891636f55b03ffc210715093110164.jpg)
気風がよくてハンサムで人懐っこく笑う寅夫じいちゃんは、信念を持って山暮らしを続けていた。働き者のフサコばあちゃんは、そんなじいちゃんにいつもやさしく寄り添った。そして孫ほども歳の離れた僕たちテレビスタッフを、ふたりは温かく受け入れてくれた。
その山は戦後の貧しい時代に、自分たちの手で切り開いた。一度は都会へ出たものの、還暦を過ぎてからまた不便な山に戻り、夫婦ふたりで生活していたのだ。
しかし、それにしても……
取材と放送を重ねるたびに、僕は自問自答を繰り返した。
![](/mwimgs/8/a/1000wm/img_8a4220e1a234f06b61a83728e44462c6112674.jpg)
なぜ、通い続けるのだろう――
なぜ、取材をしながら、熱いものがこみ上げるのだろう――
なぜ、編集をしながら、涙が止まらないのか――
なぜ、原稿を書きながら、嗚咽するのか――
そこに何があるのか――
今も取材を続けるその山を、僕たちは「ふたりの桃源郷」と呼んだ。
こちらもおすすめ
プレゼント
-
『さらば故里よ 助太刀稼業(一)』佐伯泰英・著
ただいまこちらの本をプレゼントしております。奮ってご応募ください。
応募期間 2024/7/9~2024/7/16 賞品 『さらば故里よ 助太刀稼業(一)』佐伯泰英・著 5名様 ※プレゼントの応募には、本の話メールマガジンの登録が必要です。