阿部　かつての私みたいに、反抗的な生徒っていうのはいるんですよ、やっぱり。結構キャラクターでもキャラクターの好き嫌いプラス思い入れの有り無しが多少ありまして。中でも反抗的な雪哉は「この野郎」と思う、と。これも毎回言ってるんですけど、作中人物を頭の中に召還して個人面談をするんですけど。

萩原　個人面談しちゃいますか。

阿部　しますします、普通にしますよ。特にその時に態度が反抗的で面白くないのが雪哉なんです。

萩原　個人面談と、あと三者面談？

阿部　三者面談はあんまり無いかな。ただあれかな、先程言ったみたいに同じ立場の違う作品のキャラクターを三人くらい召還して質問投げかけるっていう時は三者面談に近いと思います。どっちかと言うと面接に近いかな、企業とかの。

萩原　入社試験みたいな。

阿部　みたいですね。

萩原　今日は作家の秘密をかなり知っちゃったなって。書いてみようかな。ははは！

阿部　もし時間あったらまだ大丈夫ですけど。

萩原　一応ね、予定時間は過ぎちゃってそろそろ。

阿部　あ、ごめんなさい。もうそんな時間でしたか。

萩原　えー、ま、いっか。

　文学館に対する質問もあったんで、それかなって思ったんだけど、まあいいかって。

阿部　今回の展示ではどのあたり苦労して展示してますかって質問をいただいたんですよね。これ私が答えるよりも館長さんとか学芸員さんとかにお聞きした方が絶対良いと思うので、できれば伺いたいなと思っていたんですが。

萩原　あんまり苦労はしてないんですけど。ただ彼女の想像力を超える展示をやろうって最初は言ってたんですよ。

　烏三十羽飛んでます、とか案は出るんだけど、これは物理的に難しいんですよね。私も一応、展示場三つくらい脳内に召還してやったんですけどね。やっぱり文字が喚起する想像力の世界ってちょっとかなわないんだよね。何やっても具体的なものに落とし込まざるを得ないじゃない。そうすると縮小しちゃうのね。そのストレスは今回展示に関しては我々が相当あったね。悔しい、と。もっと作家を驚かしてやれって気はあったんですけど、それはまあ、あと十年後にまた彼女を呼び出してですね、何シリーズか分かりませんけども、その時はあっと驚かせるものにしたいと。エレベーターが逆さまに行っちゃいますとかね。やります。

（場内笑い）