萩原　因みにそこの執筆室ってわけでもないんですけど、彼女が執筆しているシチュエーションが今の展示室の奥の方にありますので、見てください。

阿部　あそこまで狭い訳ではないです。あくまで机の再現なので。ほんとはもうちょっと広いですね。最近あまりに長くいすぎて、執筆室にあるまじき居心地の良さになってしまって。

　編集さん達が、ほんとに優しいんですけど、卓上のアロマデｨフューザー入れてくれて、蒸気の上がるやつなんで、とっても良い薫りがするんですよ。次に、ほんとに有り難いんですけど、めっちゃくちゃ良い薫りの入浴剤を差し入れて下さった方がいらっしゃって、お風呂が楽しみになりました。その匂いだけでずっと楽しくて。「いい薫りー」って思って、何かもうね、楽しくなっちゃって。挙句の果てには色んなものを部屋に持ちこんで、私の部屋ってどっちだったっけ？ みたいな。

萩原　ははは！

阿部　この間引っ越したんですけど、明らかに引っ越し先の家にいるよりも文藝春秋にいる時間の方が長いんですよ。もうね、あれですよ。下手な文春の社員さんよりも文春に長くいる自信がありますよ。

　そうすると大変なのが執筆室を出る時で、完全に物が多すぎて。一ヶ月いればそうなるよねって感じなんですけど。一緒に荷物運びだす時に編集さん半笑いで「ほぼ阿部さんの巣ですね」って、そんな感じです。カヤネズミの巣みたいな感じになってます。

萩原　まだ当分出られそうもない、ね？

阿部　頑張っております。

萩原　頑張って。じゃあもう時間が来ちゃったんで、あと一つだけ。

質問6（東京から参加、中学一年生女子）　将来は作家志望です。阿部さんが一番気に入ってる八咫烏シリーズのキャラクターは誰ですか？ 因みに私は雪哉です。

阿部　（同時に）「雪哉です」、でしょ？ やっぱり。

　これ結構皆さんに聞かれるんですけど、私のスタンスとしてはキャラクターたちって学校のクラスの子達みたいな感じで、担任の先生みたいに私は思ってるんですよ。だから皆が好きよって言ってはいます。が、まあ、ここまで言うとばれちゃってると思うから言いますけど、雪哉の奴この野郎とは思ってますね。

（場内笑い）