川越 僕も取ると思っていないので、ユルユルな格好でお待ちしていたんです。受賞のお知らせを頂き、慌てて記者会見に行ったら、文春の方から「いくらなんでもカーディガンはないでしょ」と言われて。宣伝を担当している方にジャケットをお借りしました。うまい具合にサイズがピッタリでよかった(笑)。
大島 わたしよりひどいよね(笑)。
川越 受賞した実感がまだないんです。本当に、どっきりカメラの手が込んできているような感じで。大島さんはいかがですか?
大島 いまでも実感はないです。お花はたくさんいただきましたよ。玄関にはみ出すくらい。
川越 花って、世話をしても枯れていくのを見ているしかないので、切ないものですね。
大島 あと、出身高校が興奮して学校に横断幕を張ってくれたんですよ。「大島真寿美 祝 直木賞受賞」みたいな。それを知り合いが写メで送ってくれるのが、なんとも恥ずかしいというか。川越さんは、どんな反響がありました?
川越 facebookで知らないおじさんからの友達申請が増えました。
大島 まったく見ず知らずの方から?
川越 はい。一回も会ったこともない方からです。いくらfacebookに便利な機能があるからといって、気軽に押すなよと、思わなくもない(笑)。ただ、昔お世話になった方から連絡をもらえたときは嬉しかったです。
大島 まわりの人が本当に喜んでくれるよね。私ももちろん嬉しいけど、まわりが喜んでくれるのを見て、私も嬉しくなっていく感じでしたね。
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