佐藤巖太郎(第91回受賞『夢幻の扉』)
Q.新人賞への応募の動機は?
A.福島で東日本大震災を経験した直後に、小説家にチャレンジしようという激情に突き動かされました。「オール讀物」新人賞はそのタイミングに合っていました。
Q.小説家になるための準備はしましたか?(小説家講座の受講や具体的な期間など)
A.小説家は意識していませんでしたが、文章の書き方、小説入門、映画の鑑賞法等に関連するハウツー本を読んでいました。
Q.過去に新人賞への公募はどのくらいしていましたか?
A.「オール讀物」新人賞が初めてです。
Q.受賞作のアイディアはどこから浮かびましたか?
A.時代小説なので、地元福島の偉人に関する書籍からエピソードネタを選択しました。何がよいかよりも、その当時の力量で、何なら書くことができるか、を重視しました。
Q.「オール讀物」新人賞の執筆期間は?
A.資料読みの期間を含めて3か月。
Q.応募する時に気をつけたことは?
A.描写と説明、現在と過去、それぞれ相互のスムーズな移行。元ネタに寄りかかりすぎないこと。以上2点に気を付けました。これは、当時の審査委員のおひとりが講評で書いておられたのを読んだからです。
Q.受賞の知らせを聞いた時は? 受賞してから単行本化までの苦労は?
A.諸事においていいところまで行くが届かないという経験が多かったので、受賞の知らせを聞いた時は、こういうこともあるんだと驚きました。
受賞後、オールの執筆陣の水準の中で自作を掲載していただくのは至難です。私の場合は、単行本化まで5年半かかりました。ジェットコースターに乗りこんだものの、落下開始地点までの上昇がずっと続いて、いつまでたっても始動しない感覚に似ています。
Q.子供のころからの愛読書は?
A.学生時代からですが、ディック・フランシスのシリーズもの。
Q.最近気になったエンタメ作品は?(映画・ドラマ可)
A.ここ数年なら、映画「ラ・ラ・ランド」に一票。
Q.今後の作家としての抱負
A.映画化される小説をいつか書いてみたいです。
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