書評

「まんまこと」シリーズは「百(もも)と卍(まんじ)」につながる、漫画家としての原点

文: 紗久楽 さわ (漫画家)

『ひとめぼれ』(畠中 恵)

『ひとめぼれ』(畠中 恵)

 江戸時代に恋焦がれ、江戸を舞台にした漫画を描いています。

 二〇〇四年の大河ドラマ『新選組!』を見て、まず幕末にはまりました。幕末の本を読みあさっているうちに、杉浦日向子先生の「合葬(がっそう)」という漫画に出会い、私は網羅系なので、杉浦先生が描いているものを全て読みました。子供のころから絵を描くことが生活の中にあったので、真似をして江戸漫画を描き始めることは、私にとってとても自然な流れでした。

 二〇〇八年から、江戸の浮世絵師の世界を舞台にした漫画「猫舌ごころも恋のうち」を、自分のホームページに載せ始めました。大学が美術系で、浮世絵の本がたくさんあったので、図書館でよく見ていましたね。その「猫舌ごころ」が評判良く書籍化と決まった際に、畠中恵先生が推薦文を単行本の帯に書いてくださいました。畠中先生の作品は「しゃばけ」シリーズを拝読していました。

 そのウェブサイトや、同人誌を見た秋田書店の方が、「まんまこと」を漫画化しませんか、というお話をくださいました。大好きな畠中先生の作品なので、すぐにハイとはお答えできなくて、悩みに悩んで始めるまで二年くらいかかりました。原作のイメージを壊してはいけないし、自分が考える江戸の雰囲気がまだ固まりきっていなかったのです。

お調子者の跡取り息子、ついに後妻を取る!?まんまことシリーズ第七弾『かわたれどき』畠中恵

ひとめぼれ畠中 恵

定価:本体680円+税発売日:2020年06月09日


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