- 2020.07.01
- インタビュー・対談
福島トリオは同級生ではなかった! おでん屋は本当にあった!? 朝ドラ「エール」を振り返る
聞き手:文春新書編集部
モデルとなった「古関裕而」の評伝の筆者・辻田真佐憲氏が解説
――昭和音楽界の大物と言えばRADWIMPSの野田洋次郎さんが演じる裕一の友人である木枯正人です。木枯のモデルは古賀政男ですね。
辻田 古賀政男は、古関と並ぶ日本屈指のヒットメーカーです。「酒は涙か溜息か」「東京ラプソディ」などの楽曲は「古賀メロディー」の愛称で親しまれました。没後、国民栄誉賞も授与されています。
ドラマでは2人が、同じく売れない時代を過ごすなど親しくあったように描かれていますが、実際のところ古関はあまり古賀について証言を残していません。今回、評伝を執筆するために福島にある古関裕而記念館を訪ね、保管されている未刊行資料などを調査することができました。その中に、編集者やライターに語った他の音楽家への評価を語ったインタビュー資料が残されていました。それを読むと古関が憧れたクラシック音楽の作曲家への言及はあるのですが、流行歌の担い手への言及がとても少なかったのが印象に残っています。
――それでは、2人の密接な関係は創作なのでしょうか。
辻田 そうとも言い切れません。古賀は古関との関係を自伝で言及していますから、そのあたりをドラマでは膨らましているのかもしれません。
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