来たる2月22日(にゃんにゃんにゃんの猫の日ですね)、漫画版『烏は主を選ばない』1巻がいよいよ発売となります!
漫画雑誌イブニングにて連載されていた原稿は松崎夏未先生の加筆修正が加わって更に美麗になっておりますし、描き下ろしのオマケ漫画まであります! 私はゲラの状態で初めて目にしたのですが、思わず声を上げて笑ってしまいました。
それと初版特典として、原作者書き下ろしの「セルフパロディ小話」の載った両面ポストカードが付きます。
これは何ぞやと申しますと、まあ、作者達の悪ふざけです。小説ではありませんよ。あくまで小話です。
もともと、私は何かのオマケや特典でしか読めない書き下ろし小説を書くつもりは全くありませんでした。私は小説家ですから、その作品を「読んでみたいな」と思ってもらった時、ふさわしい対価を払いさえすれば誰でもそれが読める形であるということは、とても重要だと考えています。漫画版に限らず、何かのオマケとして――そこだけしか読めない、という形で八咫烏シリーズの世界の一端、つまりは物語の「本編」を出すのは、個人的にあまり望ましい形とは言えないのです。
とはいえ、コミカライズ作品のオマケでは、原作者の書き下ろしが喜んでもらえるのだということは以前から再三言われていました。それに、コミカライズのために原作者が出来る応援はあまり多くありません。私のめんどくさいこだわりに抵触しない、何か面白い特典は付けられないかということで、イブニングの漫画編集さん達と話し合いが行われました。
「漫画版『烏に単は似合わない』の特装版みたいな、キャラクターへのインタビューとかはどうでしょう?」
私が提案すると、漫画編集さんは微妙な笑みを浮かべました。
「そういう方向性ではあるんですけど、阿部さん今、別件で締め切りが迫っているんですよね? 文春さんがあの、ちょっとアレなので、もうちょっとお手軽に出来るほうがいいのではないかと思うんですが」
「いや、ここに文春さんを持ち出すのはやめましょうよおっかない!」
「今回用意したのはポストカードです。スペースは狭いし、あくまでオマケですから、むしろ凝ったことは出来ないと思うんですよね」
「じゃあ、もっとこう……バカバカしくて……思わず笑っちゃうみたいなのでもいいんですかね?」
「あ、まさにそういうのを求めています!」
その瞬間、私の頭によぎったのは、数日前に見た松崎夏未さんのツイートでした。
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