そしてそして、2019年1月にNHK出版さんから発表した『発現』が、この度、文藝春秋さんで文庫として発売になります。
『発現』は、八咫烏シリーズとは全く違う小説です。
平成と昭和という2つの時代で事件が起こり、それがある時点でひとつに集約していく……という構成の、ホラーともミステリーともつかない物語となっています。
もともと『発現』を出版して下さったNHK出版さんは文庫のレーベルをお持ちでないので、今回の文庫化に関しては文藝春秋に行って頂くことになりました。
そういった経緯もあり、電子書籍に関しては、文庫版は作られず、NHK出版さんの単行本版のみとなります。ただし、文庫発売時に電子版単行本の価格を紙の文庫と同じ価格に下げて頂けることになりました! 表紙が違うので混乱させてしまい、読者の皆様には大変申し訳ないのですが、「電子だけ高い」という事態にはなりませんのでどうかご承知頂ければ幸いです。
文庫版の装画を描いて下さったのは、もふもふな巨大生物や壮大な世界観のファンタジー、ノスタルジックで不穏な田舎シリーズまで、幅広い作風で知られるイラストレーター、もの久保さんです。
前々からもの久保さんの可愛い絵も怖い絵も大好きだったのですが、まさか『発現』の表紙を描いて頂けるなんて、大変感動しました。単行本版の装丁も非常に気に入っていたのですが、また違ったアプローチの文庫版も素晴らしい出来になったと感じております。
もの久保さん、本当にありがとうございました!
今回、文藝春秋さんから出す紙の文庫版『発現』には、中島京子先生との対談を収録させて頂いております! 2021年6月号の『オール讀物』に掲載されたものから抜粋、編集したものです。
『発現』は苦しみながら書いたので刊行後も結構悩んでいたのですが、中島先生に松本清張賞の贈呈式の会場で「面白かったよ」と直接お声がけ頂き、非常にほっとした思い出があります。そのご縁もあって、対談させて頂くことになったのです。本当に有難く、また小説の書き手としても読み手としてもたくさんのことを教えて頂きました。この場を借りて、中島先生には心より御礼を申し上げます。
もしご興味のある方は、手にとって頂ければ幸いです。
阿部智里(あべ・ちさと) 1991年群馬県生まれ。2012年早稲田大学文化構想学部在学中、史上最年少の20歳で松本清張賞を受賞。17年早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。デビュー作から続く著書「八咫烏シリーズ」は累計130万部を越える大ベストセラーに。松崎夏未氏が『烏に単は似合わない』をWEB&アプリ「コミックDAYS」(講談社)ほかで漫画連載。19年『発現』(NHK出版)刊行。現在は「八咫烏シリーズ」第2部『楽園の烏』を執筆中。
【公式Twitter】 https://twitter.com/yatagarasu_abc
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