八咫烏シリーズに関わっている文藝春秋の方は、めちゃくちゃ多いです。
裏事情を少し申し上げますと、一番身近な「担当編集さん」ひとつ取っても、実はひとりを指しているわけではありません。メインとなるのは単行本担当さんですが、他にも文庫担当、雑誌担当の方がついて下さっています。そして文春さんはめちゃくちゃ異動が激しくて、過去にお世話になった編集さんは10人以上になります。
最初は異動の報せを聞く度に「え、もう替わっちゃうんですか!?」といちいちショックを受け、「もしや私が問題児だからでは……」と疑ったりもしたのですが、別にそういうわけでもなかったようで、最近はすっかり慣れてしまいました。
編集さんごとに「この方は指摘が鋭い(鋭すぎてたまに泣く)」とか「この方は作家を掌の上で転がすの上手(安心して転がれる!)」とかそれぞれ強みをお持ちなのですが、いずれの方も敏腕なので、仕事に支障は出ません。
むしろ新しい目が入ることによって常に読者さんの視線を意識出来たのは、八咫烏シリーズにとって本当に良かったなと感じています。長く同じ作品と付き合っていると、いつの間にか見方がコアになってしまうものでして……。「え、これが通じないの?」「これって読者さんには分からないんです?」「前の巻で出した情報だけど、リマインドが必要だったか……」と気付かされることが数多くありました。
しかもあまりに異動スパンが短すぎるせいで、「あ、〇〇さん文芸に戻って来られたんですね!」「お久しぶりですー」「△△さん週刊だったんじゃなかったでしたっけ」「次は文庫になりまして」みたいに、知った顔が数年後に戻ってきたりもします。
年々、顔なじみがひたすら増えていく感じになっていますね。
その上、デザイナーさんや校閲さんなど、原稿が本になるまでにお世話になる方はもっと多く、電子書籍の担当さんやこのコラムやHPを作って下さっているデジタル関係の方、本を売るために力を尽くして下さる営業さんや宣伝プロモーションの方など、数えだすときりがありません。長く缶詰生活を送っていたせいでしょうか。先日は社内ですれ違った警備の方に「あ、阿部さん! お疲れ様です」と優しく声をかけてもらえたので、ちょっと嬉しくなってしまいました。
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