電子書籍を若い人に読んでもらう秘策とは
佐藤 もう一つ、柳井さんにご質問したいのですが、電子書籍は今の出版界の根本的な課題である、本を読む人を増やすということに貢献できるとお考えでしょうか?
柳井 いまの30代、40代以上は、もともと紙の本を読んでいた人たちしか電子書籍を読まないと思います。そういう意味では紙の本のシェアを電子が奪っているだけかもしれません。
一方で、紙の本から離脱した人たちを呼び戻すきっかけになる可能性があって、紙の本では目が疲れてしかたないという50代、60代の人たちには、文字を大きくできる電子書籍は圧倒的なメリットです。
若い人たちに関しては、もともとスマホで文字を読む人たちだから、スマホや電子書籍端末で文字を読むことには抵抗がないと思います。ただ、彼らは無料のものに慣れているので、そういう人たちを有料の方に持ってくるという部分の難しさはあると思います。これまでとは違う課金の仕方が必要なのか、あるいは有料で読む文化を何とかして根付かせるのか。
それよりももっと若い、今の小学生とか幼稚園・保育園世代を電子書籍に取り込むのは、さらに難しいと思います。その世代の子たちは、YouTubeは見ているんですよね。端末自体は使っているけど、それで本を読むという文化にはなってない。YouTubeのようなものから有料の文字ものへの橋渡しが必要になってくると思います。
ユーチューバーとかVチューバーみたいな人たちから、有料の紙の本を読ませるように誘導する。もともと若い人たちが興味を持ってるところから導線を引かないとダメでしょうね。
加藤 うちの息子はいま11歳なんですが、3、4年前に「これ読めよ」ってタブレットを渡しました。それでマンガはタブレットで読み始めたんですが、あとから本を買ってあげたら見開きになっているからすごく読みやすいと驚いている(笑)。タブレットだと戻るのが面倒臭かったというからどういうことかと思ったら、見開きぶち抜きで描いてあるコマは自分の中で絵を組み上げてたんですね。
『#電書ハック』の購入は以下の電子書籍サイトから
【honto】
https://honto.jp/ebook/pd-series_B-MBJ-20012-121979037-001-001.html
【Reader Store】
https://ebookstore.sony.jp/item/LT000106481000849110/?cs=pickup_novel
-
『赤毛のアン論』松本侑子・著
ただいまこちらの本をプレゼントしております。奮ってご応募ください。
応募期間 2024/11/20~2024/11/28 賞品 『赤毛のアン論』松本侑子・著 5名様 ※プレゼントの応募には、本の話メールマガジンの登録が必要です。