2016年からリーグ三連覇を成し遂げたカープは、もうかつてのカープではありません。いつしか全国的な人気もぐんぐん上がって、カープがまるでカープじゃないみたい。しかしポストシーズンの戦いでは頂点を制するまであと一歩というところまで来て、三年連続4連敗を食らうという信じがたい幕引きをファンも経験させられています。もち上げるだけもち上げられて、急に頬っ面をひっぱたかれ、冷水を浴びせられるようなこの感覚。……でもそんな時こそ思うのです。ああ、やっぱり、ぼくらのカープ。人生も愛も、多少うまくいかないからこそ、コクが増してくるのではないでしょうか。
驚いたのは、これだけくまなく資料を集め、まんじりともせず観察して来た方が、一度もマツダスタジアムでの観戦を果たしていないということです。今や人気の高騰によりチケットは極めて入手困難となっていますが、職場の知人や近所のおじさんのコネでやすやすと席を譲り受け、劣勢ならば7回裏で帰路につこうとするオールドスタイルな地元民などには、この純愛物語を読ませてやりたいものです。しかし天国は、まだ見ぬ地だから天国なのか。いいえ、あそこは見るべき天国です。どうかカープ球団の皆さんにはチケット販売の創意工夫に一層力を入れていただいて、いつかオギリマサホさんがマツダスタジアムに遊びに行けますように。そして夢にまで見た、ごきげんな選手プロデュースメニューを堪能できますように。
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