三日後、金吾から返事が来た。
――承知した。すぐ上京する。
はがきに筆書き。いかにも元気そうというか、字そのものが金吾の声でどなりだしそうな感じだった。
「なんだ」
賢吉は笑うと、かたわらの塚本靖へ、
「一度くらい欠席してくれるほうが、こっちも気が楽なんだがなあ」
と、めずらしく冗談を言った。そもそも次回の審査会は、大した議題はない。休んだところで大勢に影響はないのだ。
塚本は、学究肌である。
賢吉以上に冗談が苦手で、このときも、“にかわ”で固めたような渋面のまま、
「まあな」
と言った。
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