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<対談>家入レオ×千早茜「嘘がない自分を受け入れたから、見えてきた」

<対談>家入レオ×千早茜「嘘がない自分を受け入れたから、見えてきた」

別冊文藝春秋

電子版30号

出典 : #別冊文藝春秋
ジャンル : #小説

物語にすれば、とどめておけるから

千早 家入さんにとっての成功って何ですか?

家入 私は表現することが好きなので、どんなかたちでも家入レオでいることが目標ですね。

千早 ミュージシャンってファンの方の数も多いし、耳に届く感想の量も膨大でしょうね……。小説の場合は読者の目が全部作品に行くので気が楽ですが。

家入 そういうところも、私が小説に惹かれる理由なのかもしれません。神名葵という人物は千早さんであって、千早さんじゃないわけで。

千早 物語に乗せれば、私は消える。そこはやっぱり小説のいいところだと思います。

家入 自分でも欲張りだなと思うんですが、私の場合は、自分を前面に出したい時は歌を歌って、メッセージをより伝えたいと思うときはブログや小説を書いたりするんです。あの、プロの方の前で言うのは恥ずかしいんですが、実はいま趣味で小説を書いていて。

千早 えーっ!? 本当に? 読みたい、読みたい。

家入 いや、そんな見せられるほどのものじゃないんですが、外に出すとなんだか落ち着くんですよ、言葉にしても涙にしても。

千早 涙も?

家入 はい。私、ひとりでよく泣きます(笑)。すごくすっきりする。

千早 ある種のデトックスですね。家入さん、集中力がすごそうだから、たまに溢れさせてあげないと。

家入 集中して作品に取り組んでいるときに、ちょっと横やりが入ると、気持ちが抑えられなくなることはありますね……。

千早 ワーッてなるんですか?

家入 獣になります(笑)。誰かに危害を加えることはないですが、号泣しながら街を走るとかしたこともあります……。

千早 かっこいい(笑)。

家入 フラストレーションなんでしょうね。もっとできるのに、という。

別冊文藝春秋からうまれた本

文春文庫
西洋菓子店プティ・フール
千早茜

定価:748円(税込)発売日:2019年02月08日

文春文庫
男ともだち
千早茜

定価:781円(税込)発売日:2017年03月10日

電子書籍
別冊文藝春秋 電子版30号(2020年3月号)
文藝春秋・編

発売日:2020年02月20日

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  • 『赤毛のアン論』松本侑子・著

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