いやあ、クリスマスですね。ハッピーホリデーズ!
このコラムは大抵お題がフリーなのですが、今回は担当編集氏から「年末年始のお供になるよう、おすすめの『本』の話などはいかがでしょう?」とご提案を頂きました。確かにこの時期、余暇に読書をしようと考えていたり、クリスマスなりお正月なりのプレゼントに本を贈ろうと考えたりしている方はたくさんいらっしゃるかもしれませんね。
私も振り返ると、この時期には両親や親戚、恩師、友人達から色々な本をプレゼントされました。こういった本は、普段自分が読まないジャンルである場合も多いので、新しい知見が広がるという点ではとても素敵だと思います!
しかし一方で、その人にとって本当に必要な本を贈るということは、大変難しいことだとも感じています。
特に、普段あまり交流のない年下の子に本を贈るのは相当な難易度です。ぶっちゃけてしまいますと、大人が子どもに本を贈る場合、その子のことを考えているつもりでも、実際は上から目線の「押し付け」になってしまっている例が多々あるように感じています。
以前、私が親戚の男の子と世間話をした時のことです。
「普段、本を読んでる?」と私が尋ねると、はにかみながら彼は「本はあんまり読まないんだ」と答えました。しかしよくよく聞いてみると、彼はちゃんと本を読んでいたのです。それは有名な児童書で――名前を出してしまいますと、『かいけつゾロリ』のシリーズでした――どうも彼は、私が言うところの「本」とは、「文字がいっぱい書いてある、読んでいて勉強になる難しい本」を指していると思い込んでいるようでした。
そこでハッとしたのですが、私自身、小学生の頃は彼と同じように考えていました。
大人になった今考えると、「絵がいっぱいで読んでいて楽しい本」も立派な本です。ですが、当時は周囲の大人が自分に読むことを期待している本が「文字がいっぱい書いてある、読んでいて勉強になる難しい本」だと思い込んでいたので、自分が楽しく読んでいる本を「本だ!」と胸を張ることが出来なかったのです。