いや、でも苔だし! なんとか大丈夫なはず!
そう祈るような心地で帰宅した時、そこにあったテラリウムは憐れにも黄色に変色してしまっていました。水不足だ、と慌ててたくさん水をやり、ひやひやしながら見守っていたのですが……可哀想に、私の初めての苔ちゃんは、鮮やかな緑に戻ることはありませんでした。
幸い、テラリウムを売って下さった方がメンテナンスをして下さったのですが、半分以上の苔を入れ替えることになってしまいました。しかも悔しいことに、そうなってしまった一番の理由は、私の水のやり過ぎだったのです。
最初の変色の理由は、蒸れでした。冬の間、レースカーテンを引いた北向きの窓辺はちょうどよい光加減だったのですが、私が不在の間にどんどん気温が上がり、サウナ状態になってしまったのです。それに気付かなかった私は水不足だと勘違いしてじゃぶじゃぶ水を与え、結果としてご臨終させてしまったのでした。
可哀想なことをしてしまった。
一度落ち込んだ私は、奮起しました。
もう二度と枯らせてなるものかと思い、長期間家を空けることのないように気を付け、どうしても家を空ける場合は、実家に苔を持ち帰るまでになりました。
手間がかからないとは何だったのか。いや、可愛いのだから仕方ない。
それから、懲りずに新しいものを購入したり、うっかり黴を発生させてしまったり、盆栽のようにちまちま剪定したりしながら、私はこの1年半の間、充実した苔ライフを送って参りました。
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