そしてそして、ずっと前からやりたいと思っていた、現在八咫烏シリーズの装画を手掛けて下さっている名司生さんをお招きした『烏の緑羽』ネタバレOKトークイベントも11月12日に無事開催されました。
こちらも大変熱心な方が足を運んで下さいました。おかげで、無事に会場チケットは完売となり、最後のサイン会まで残って下さった皆様からたくさんの応援も頂きました!
イベントの前半はトークセッションという形で、名司生さんの装画のこだわりを伺いました。今年発売となった文庫版『楽園の烏』、『烏の緑羽』を中心に、どのように本の装丁が出来ていくのかを解説して頂いたのです。
これまでにも言ったことと重なりますが、名司生さん、最初の話し合いのタイミングで大量のラフを描いてきて下さるんですよね。
通常、装画の依頼の段階に作家が入ることは稀らしいのですが、八咫烏シリーズでは打ち合わせに私も参加させてもらっています。ファンタジーということもあり、より綿密な情報共有が必要でして、以前は資料を送ったり確認したりしていたのですが、そのうち「直接会ってその場で色々確認したほうが早いね!」という感じになったのです。
当然、打ち合わせの場には「このキャラを描いたらいいんじゃないか」とか、「ああいう構図が格好いいのでは」と私も担当編集さんも色々考えながら臨むのですが、名司生さんは毎度我々が逆立ちしても思いつかないような案を出して下さり、それがすこぶる素晴らしい! 最近は「我々が考えるより先に名司生さんのご意見を伺いましょう!」というノリになりつつあります。
このラフ、正直、どれか一つだけ持って来てくれたら、どれもそのまま即採用するレベルなのです。それを5個も6個も見せて下さるわけでして、こちらとしては選び放題、異常なレベルの贅沢をさせてもらっております。どれもいいので、関係者の間でも意見が割れてしまい、それぞれが自分の「推しラフ」の良さをプレゼンし合ったこともありました。
たった今思い出したのですが、名司生さんに最初にお願いした仕事からそうでしたね! 一作ごとに毛色の違う八咫烏シリーズのイメージを一枚で伝えられるコンセプトビジュアルを依頼した結果、出て来たラフがあまりに良かったせいで、我々だけでは決めきれなかったのです。
文藝春秋の応接サロンでその話し合いをしていたのですが、「ここは八咫烏シリーズを全く知らない人の意見を聞こう!」ということになり、ラフを両手に文春内をあちこちまわり、他の編集部の方やサロンや受付のお姉さんにまで投票をお願いした記憶があります。
そんなこんなで、すごく良いのに表に出せない名司生さんのラフを我々は一杯知っておりまして、「なんとか皆さんに見て欲しいなあ! ぶっちゃけ自慢したい!」とずっと思っておりました。今回その一部をお見せすることが出来て私はほくほくしております。
とはいえ、そういったラフはまだまだいっぱいありますので、(言うまでもなく名司生さんのご希望第一の形で)いつか皆様にご覧頂ける形にしたいものです。
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