- 2005.08.20
- インタビュー・対談
東野圭吾インタビュー 正統派ミステリーとしては僕の最高傑作です
「本の話」編集部
『容疑者Xの献身』 (東野圭吾 著)
出典 : #本の話
ジャンル :
#エンタメ・ミステリ
──本書には、四色問題だとか、P≠NP問題などの数学の問題が出てきますね。
P≠NP問題というのは、現在百万ドルの賞金がかかっている七つの問題の中の一つです。面白い、哲学みたいな問題です。
東野 石神は僕と同年代という設定なんですよね。四色問題は僕の大学時代に解決されたんですよ。当時すごい話題になりましたけど。僕は、こんな証明の仕方でいいのかよって、けっこうその本では不満だったんです(笑)。非常に長年の謎であって、ちょうど石神の学生時代に解決された問題で、なおかつ象徴的な問題なんですよ。
──素人が考える数学っていうと、数字が出てきて、公式に当てはめて、とかそういう思いこみがありますけど。
東野 そのレベルじゃないですね。P≠NP問題みたいに答えを出すのと、出した答えが正しいかどうか確かめるのと、どっちが難しいかっていうような話ってどこが数学だと思っちゃうじゃないですか。でも本当の数学はそれなんですよ。ほとんどのことは全部数学で説明できる。それをどこまで人間が探究できるかっていうことだから。
数学者って、ずっと数学だけをやっていたいと思っても時間がないんですよ。二十代くらいですごい発想をして、それで完成するわけじゃないんです。そこからそれを足がかりに、積み上げたり掘り下げたり、という作業を一生するんです。終わりのない学問ですから死ぬまで探求し続けられるんですよ。
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