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- 2005.08.20
- インタビュー・対談
東野圭吾インタビュー 正統派ミステリーとしては僕の最高傑作です
「本の話」編集部
『容疑者Xの献身』 (東野圭吾 著)
出典 : #本の話
ジャンル :
#エンタメ・ミステリ
「献身」という言葉の持つ意味とは?
──花岡靖子というヒロイン像が非常によかったです。靖子は三十代後半ぐらいで、中学生の娘が一人いる、母子家庭という設定です。靖子のために石神は、非常に大きな犠牲を払うわけですが、彼にしてみたらその事実が愛する女性に伝わらなくてもよかったんですよね(笑)。切ないですねえ。うかがっていると、タイトルの「献身」という言葉は、これしかなかったなと思います。最後のほうで靖子が、一点の曇りもないのは石神だと心の中で言う場面がありますが、本当に曇りがないんですよね、石神には。
東野 そうなんですよね。 僕はミステリー作家と呼ばれて、これまで結構いろんなタイプの作品を書いてきています。中には『秘密』のように、ミステリーと定義するのが微妙な作品もありますが、一つの事件を扱った、正統派ミステリーの中では、自分の最高傑作じゃないかなと思っていますね。久しぶりに本当にミステリーらしいミステリーを書いたという気がします。こんなにうまくいくとは思わなかったです、自分でも、ほんとに。
──担当編集者も見事に騙されました(笑)。
東野 そうですね。連載していた雑誌の担当者からも毎回メールで感想をいただいていたんですが、すっかり騙されているなあと(笑)。
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