わたしの心を抉り、鼻っ柱を叩き折った言葉が並んでいた。逆さまのウサギのイラストが、こちらに空疎な笑みを向けている。ウサギからはフキダシが出ていて、「PYON PYON HANEMASU」と全く意味のないことを喋っている。
茜の字は稚拙で震えていた。ひらがなばかりなのは、まともに学校に通わせて貰っていないせいだろう。公園で初めて目にした時はショックを受けながらもそう理解した。
またあの時のように涙が出るのだろうか。そこまでではないにせよ、苦しくなるだろうか。わたしは覚悟して手紙を読み返した。彼女との出会いを、一方通行の会話を思い出した。母親との嚙み合わない遣り取りも、二階の窓に見えた茜の顔も。
改めて手紙に目を向ける。
湧き上がったのは悲しみでも苦しみでもなく、違和感だった。
おかしい。
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