――いよいよ装画のお話に入りますが、まったく新しくイメージを立ち上げた『楽園の烏』に絞って伺いたいと思います。阿部さんのなかで描いていただきたい絵のイメージはありましたか。
阿部 「異界と現実が隣り合っている」というイメージを中心に、箇条書きで要望をお送りしました。それをもとに最初に出てきたのが、最終的に採用された装画の原型だったんですよね。街角に人物が立っていて、空に山内が見えているという。
名司生 そうです。そのときははじめさん(注:『楽園の烏』登場人物の30代男性)を表紙に配置していて、もうちょっと都会っぽい感じで描いていました。『楽園の烏』を読んでぱっと浮かんだのがこれだったので。
阿部 まだちゃんと話し合いもしていない、1回目の打ち合わせの場にこんなすごい案を持ってきてくださるとは! めちゃめちゃいいじゃないですか!! という話になって、ではその方向でラフを、と言ったら6パターンもきた(笑)。
名司生 思いついたものはぜんぶお送りするスタイルで。
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