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『楽園の烏』装画はこうして生まれた!

『楽園の烏』装画はこうして生まれた!

対談 阿部智里(作家)×名司生(イラストレーター)


ジャンル : #エンタメ・ミステリ

『楽園の烏』(阿部 智里)

――結果、裏表紙が表紙になってもいいくらいのクオリティに仕上がりました。

阿部 文春の営業さんは「裏表紙にこんなに描き込みがあるなんて……」と驚いていたみたいですね(笑)。

 今回、ラフからの調整に関して私は「もっとこういう感じがいいけど、具体的には名司生さんにおまかせ」というふうにお伝えしたんです。クリエイターの方とやりとりしていると感じることなのですが、最終的にはそれを手掛ける人の感性の部分がものをいいますよね。私は大体の方向性と細かい修正はするけども、本筋の部分ではお任せしたほうがいいんじゃないかなと思うようになりまして。それが名司生さんのご負担にならなければいいなと願いつつ。

名司生 おまかせされたけどいいのかな、という感じでした、私は(笑)。解釈が合っているのかどうかびくびくしつつ、描きたいものを描いていただけで。

阿部 最初に、うまい絵と装画に向く絵は違うと言いましたけど、どれだけその作品を読んで、空気感を掴んでいるかっていうのは、そのまま絵にあらわれるんですよね。作品の面白みとか、言いたいことがわかっていないと、モチーフだけをこねくりまわすことになる。
 
 その作品のテーマをとらえていないと、作中に出てくるのと同じモチーフを使っているはずなのに、なにか違和感があるな、というものに仕上がるんです。そういうものが世の中に散見されるなか、名司生さんはただ絵を描くだけじゃなくて「テーマを理解して表現する」というところまで仕事としてやってくださって、作家としてはこんなに嬉しいことはないです。

名司生 どんどんハードルが……(笑)。

阿部 いえいえ、名司生さんは名司生さんらしく。お互いに譲れない一線はあると思うんですけど、それを探りながら、お互い大きく飛躍していけたら。今後もよいお仕事を一緒にできたらと思っております!

名司生 私も思っております。これからもよろしくお願いします!


名司生さん展覧会情報

〇11/18日(水)~11/30日(月)個展
TOKYO PiXEL. shop & gallery
〒111-0042 東京都台東区寿3-14-13 1F
OPEN:12:00~19:00 定休日:火曜
(最終日は17:00まで)
https://tokyopixel.shopinfo.jp/
 
〇12/4日(金)~12/8日(火)個展
アートショップ&ギャラリー ART HOUSE
〒550-0014 大阪府大阪市西区北堀江1丁目12-16 2F
OPEN:11:00~19:30 定休日:水曜、木曜
https://art-house.info/

※個展タイトル、在廊日など詳細情報は随時、名司生さんTwitter(@720nk)にて告知。

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単行本
楽園の烏
阿部智里

定価:1,650円(税込)発売日:2020年09月03日

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