「すべての本と近しい関係でいたい」そんな門井さんのリクエストを受けて、二階の仕事場に行く道すがら本が少しでも多く視界に入る動線を考えたという。その結果、階段が正方形の建物のセンターに配置され、「これほど完全なシンメトリーをつくれたのは初めてです」と青井さんも感嘆する空間に仕上がった。
ちなみに本は、全集やシリーズ、小説につかったものはその作品に紐づけて塊で収納。一般書籍については、日本語で書かれたフィクション、ノンフィクションはともに読了したものから著者名のあいうえお順に、海外の作品は国ごとに仕舞われている。
設計士・青井弘之さんは語る。
「一万冊は本を収容したいと聞いて、ライブラリーを想像しました。世界中から愛される『ストックホルム市立図書館』のような、三六〇度本に囲まれた美しい空間です。同時に、吹き抜けから光が降り注ぐ閲覧室のイメージも具現化できたらいいなと」
さらに意識したのが、遊び心に溢れた装飾だ。
「ヴォーリズは、細部の美しさこそが心地よさにつながると考える人でした」
こまかく仕切られた資料棚は、教会のメールボックスをイメージしたものだという。
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