「禁断の二次創作解禁!?」と話題になった、「#ガリレオ10ファンアート」への応募作のすべてを、東野圭吾さんが選考し、このたび、最優秀賞と、優秀賞10作品が決定! 選考過程を東野さんが語ってくださいました。


「ガリレオ」シリーズ第10弾となる『透明な螺旋』と、最新文庫『沈黙のパレード』の発売記念キャンペーン第2弾として、小説「ガリレオ」シリーズの登場人物、シーン、セリフなどをモチーフにした「#ガリレオ10ファンアート」にご応募いただき、有難うございました。このたび、著者の東野圭吾さんによる選考が行われました。応募作すべてに目を通した東野さんは、こう語っています。

「みなさんの応募を楽しみにしていました。今回、全作品を拝見して、『腕に覚えがある方なのだろう』と感じました。どれもこれも、簡単には描けない、書けないものばかりでしたから。本当に有難いです」

 優秀賞の10作品を発表していきます。

『真夏の方程式』の「あの名場面」と「インスタントコーヒー」のベストショット!

「湯川と少年が、ペットボトルのロケットを飛ばす場面はたくさんの応募がありましたが、そのなかでも、この作品がベスト。一番美しくて、夢があります」(東野氏)

 『真夏の方程式』から選ばれたのは、「ガガーリンを知ってるか。ロケットがなければ、人類は地球の本当の姿を見られなかった。ロケットは必要なんだよ」(『真夏の方程式』文春文庫105頁)と、湯川が少年にこう語り、海に向かって、ペットボトルのロケットを飛ばす場面を描いた、_sorabean_(_@_sorabean_)さんの作品。


「インスタントコーヒーを描いた作品に関しては、これが一番素晴らしいと感じました。配置してあるモノで、すべてを表現してくれているからです」(東野氏)
 
 ガリレオと言えば、湯川のインスタントコーヒー。これを表現した太陽のゾウ(@taiyonozo3)さんの作品。

 シリーズ第1作『探偵ガリレオ』の第1章「燃える」で、草薙が湯川の研究室を訪ねると、金属製の灰皿に電球が置かれていた。この部屋で、草薙が、小型レコーダーに録音した関係者の声を、湯川に聞かせる。

「電子レンジの電磁波による誘導電流で、電球内部のキセノンがプラズマ化して発光したんだ」(『探偵ガリレオ』文春文庫27頁)という湯川の説明を受けた草薙は、ほとんど意味が分からなかったようだ。

 まさに、ガリレオシリーズの「始まりの名場面」と言えるだろう。ちなみに、今回のキャンペーンのために製作されたオリジナルインスタントコーヒー「湯川ブレンド」は、東野さんも「酸味が少なくて、美味しい」と執筆の合間に飲んでいる、とのこと。